第16回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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一般演題(示説)

[P1] 看護教育

[P1-6] 看護師の意識レベルスケール評定に関する実態調査 その1 ー意識レベルスケール評定の現状—

○山口 浩美1、河田 純子2、本山 仁美1 (1. 大東文化大学 スポーツ・健康科学部看護学科、2. 埼玉医科大学総合医療センター)

Keywords:意識レベルスケール、GCS評定、看護師、関連要因

【目的】意識障害患者の変化していく状態を素早く評価するために簡便で、かつ状態を正しく反映できる評価スケールのとして、Glasgow Coma Scale(以下 GCS)やJapan Coma Scale(以下JCS)がある。その一つのGCSは国内外で普及している意識レベルの評価方法であるが複雑で理解されにくい問題点が指摘されている。そのため、全国的な質問紙調査を行い、看護師のGCSに関する実態を明らかにしすることを目的とした。ここでは、意識レベルスケール評定に関する自信度、評定における迷いに関して分析した結果を報告する。【方法】調査期間は、2019年7月~2020年2月で全国の病床数200以上の一般病院に調査依頼を行った。対象は、依頼に同意のあった24施設の新人看護師を除く病棟看護師1219名に質問紙を配布し、462名に回答を得た。質問紙内容は、看護師の性別、看護師経験や経験病棟の基本属性、意識レベルスケールの使用状況、意識レベルに関する自信度、講習会参加状況、事例におけるGCS評価などである。データ分析は、STATFREX ver.7を使用し、Mann–Whitney U検定を行った。倫理的な配慮として、無記名、個人の自由意志での協力、データの統計処理と学術的研究利用に限定することを明記し事前に協力依頼書により承諾を得た施設に対して質問紙を送付した。質問紙は、対象個人が返信封筒にて無記名で直接研究者に返送する方法をとった。また、所属機関の倫理審査を受審、承認のもとに実施した。【結果・考察】看護師経験年数に関しては、3年未満が34名、3年以上~5年未満が5名、5年以上~10年未満が90名、10年以上~20年未満が149名、20年以上が137名であった。意識レベルスケールの使用状況では、意識レベル評定をしたことがあるが456名、なしが2名であった。使用頻度は少ないが151名、多いが307名であった。院内外の講習会参加はありが147名、なしが310名であった。講習会参加の有無が意識レベル評定に関する自信度に違いがあるかをMann–Whitney U検定で分析したところ、5つの項目である音声刺激の与え方、疼痛刺激の与え方、開眼の評定、発語の評定、運動機能の評定のすべてに有意差が認められ、参加者はそれらの項目において非参加者よりも自信を持って評定していることが示された。講習会参加の有無とGCS・JCSの迷いの頻度における違いでは、GCSの迷いに有意差が認められ、参加者の方がGCS評定で迷いが少なかった。看護師経験年数と意識レベル評定に関する自信度では、疼痛刺激の与え方のみに有意差が認められ、経験年数が多い方が疼痛刺激の与え方に自信があることが示された。経験年数とGCS・JCS迷いの頻度における違いでは有意差が認めなれなかった。使用頻度と意識レベル評定に関する自信度では、音声刺激の与え方、開眼の評定、発語の評定、運動機能の評定で有意差が認められ、使用頻度が多い方がそれらの項目に自信があった。使用頻度とGCS・JCSの迷いの頻度の違いでは、使用頻度とGCS評定で迷う頻度に有意差があり、使用頻度が多い方がGCSで迷うことが少ないことがわかった。【結論】講習会の参加が多く、経験年数があり、日頃からスケールを使用していることが意識レベルスケール評定に関する自信を持たせることが示唆された。また、GCS評定の迷いが少ない場合は講習会参加の多さと日頃の使用頻度によるものであった。一方、JCS評定における迷いの頻度においては、講習会参加、経験年数、使用頻度における違いが認めれなかった。
※本研究は科学研究費助成事業基盤研究(C)の助成を受けて行っている一部である(課題番号19K10961)。