第16回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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一般演題(示説)

[P1] 看護教育

[P1-8] 退院支援看護尺度使用によるCCU看護師の退院支援に関する意識の向上

○長埜 彩未1、大金 智子1 (1. 株式会社日立製作所日立総合病院)

Keywords:退院支援看護尺度、退院支援、CCU

1. はじめに
 A病院CCU(以下CCU)に入室した患者のほとんどは一般病棟を経由して退院となる。そのためかCCUではMSWとカンファレンスをする機会が少なく、退院支援に関する看護師の意識が低いと感じていた。そこで、山岸らの「在宅の視点のある病棟看護尺度」を参考に、CCUにおける退院支援看護尺度(以下、退院支援看護尺度)を作成した。この尺度をもとに、退院支援カンファレンスを開催することで、カンファレンス内容を統一化することができ、CCU在室中から退院後の生活に関しどのような不安があるか明確となり、CCU看護師の退院支援に関する意識が向上するのではないかと考えた。
2. 目的
 退院支援看護尺度を用い、退院支援カンファレンスの内容を統一することで、CCU看護師の退院支援に関する意識の向上と退院支援カンファレンス実施率の向上を目的とする。
3. 方法
 1)研究期間:2019年7月~11月
 2)研究対象:CCU看護師24名(研究者・看護師長を除く)
 3)研究方法
 (1)退院支援看護尺度を用いた退院支援カンファレスの方法について説明
  退院支援スクリーニングシートハイスコア患者を対象とし、退院支援看護尺度をもとに患者や家族についてMSWとカンファレンスを実施し、その記録の記載・登録方法について説明した。
 (2)退院支援看護尺度を用いた5項目の事前アンケートの実施 
 (3)退院支援カンファレンスの実施 
 (4)退院支援看護尺度を用いた5項目の事後アンケートの実施 
 (5)事前・事後のアンケート結果をウィルコクソン検定を用いて分析(有意水準5%未満)
4. 倫理的配慮
 参加は任意であり、研究で得られた個人情報は個人が特定できないように処理し、データおよび結果は研究の目的以外に用いないことを保証し、アンケートの回収を以って同意とした。A病院倫理委員会の承認を得た。山岸らの「在宅の視点のある病棟看護尺度」の使用に関しては作成者に了承を得ている。
5. 結果
 2018年度対象者は2件で退院支援カンファレンスの実施率は0%だった。2019年度、退院支援看護尺度を用いた退院支援カンファレンス方法を説明したことにより、対象者5件中の実施率は100%となった。また、退院支援看護尺度導入前後のアンケート結果の比較では、「自宅で過ごすことについて、患者がどう思っているのかをきいている」「患者が自宅で過ごすことについて、家族がどう思っているのかをきいている」「どのような状態になったら退院したいと考えているかを家族にきいている」「家族が退院後の介護にどれくらいの負担を感じているかをきいている」の4項目において有意差が得られた。
6. 考察
 退院支援看護尺度を導入したことで、CCUでの退院支援カンファレンの実施率は向上し、カンファレンス内容が統一されたと考える。アンケートの結果からもCCU看護師の退院支援に関する意識は向上しており、患者の退院後の生活について具体的な質問ができる退院支援看護尺度を使用したことは有用であったと言える。今後は、CCUから一般病棟への看護を引き継いでいけるよう、退院支援看護尺度を用いた退院支援カンファレンスを定着化し、CCUでできる退院支援を深めていくことが課題である。
7. 結語
 1)退院支援カンファレンス方法を説明することにより、実施率を上げることができた。
 2)退院支援看護尺度使用によりCCU看護師の退院支援に対する意識は向上した。