[P3-6] 全身麻酔で手術を受ける患者の入院時の不安の程度とそれに関連する要因
Keywords:手術、不安
【目的】
全身麻酔で手術を受ける患者の入院時の不安の程度とそれに関連する要因を明らかにし、患者が抱える不安に対して関わりが必要な視点の示唆を得る。
【方法】
対象は2018年9月から2019年1月までにA病院B病棟に全身麻酔で手術目的に入院してきた患者。調査は入院時に自記式質問紙にて行った。内容は、手術、麻酔、術後の身体状態、術後の苦痛、術後の生活のそれぞれに対する不安の程度(全て0~100点のVASで評価。得点が高いほど不安が強い)、説明されている手術所要時間などの質問項目を作成。さらにSTAIの特性不安と状態不安(共に最大80点であり得点が高いほど不安が強い)も調査した。手術経験、再発、転移の有無などはカルテで確認した。解析について、群間による各種不安の程度、STAIの得点の比較はWilcoxonの順位和検定、手術時間と各種不安の程度、STAIの得点の関連はspearmanの相関係数をみた。解析にはJMP11.0を用いた。本研究は調査対象施設の倫理委員会の承認を得て行った。
【結果】
解析対象者は67人。平均年齢は66.9±12.2歳、男性43名、女性24名であった。疾患別では腸疾患20名、胃疾患13名、食道・肝・胆・膵疾患19名、胆嚢疾患15名、アプローチ法別では開腹術32名、腹腔鏡補助下35名であった。各種不安の程度の平均値は手術38.4±26.6、麻酔33.6±28.3、術後の身体状態43.5±23.6、術後の苦痛48.8±26.6、術後の生活43.1±28.1であった。STAIの特性不安は41.3±8.0点、状態不安は45.4±9.8点であった。説明されている手術所要時間は4.1±1.7時間であった。手術経験がある人の割合は59.7%、再発ありは10.4%、転移ありは17.4%であった。患者背景別でみると、再発、転移がある人はSTAIの状態不安の得点が高かった(*:p<0.05)。転移がある人は手術に対する不安*も強かった。手術所要時間と各種不安の程度、STAIの得点の間に関係はなかった。アプローチ法別では、術後の苦痛に関して開腹術の方が不安*が強かった。仕事の有無では、仕事をしていない人の方が手術、術後の身体症状、術後の苦痛に対する不安*が強かった。
【考察】
今回、説明されている手術所要時間と各種不安との間に関係はなかった。手術所要時間が長いと高侵襲手術と捉えられることがしばしばあるが、今回は関係はなかった。アプローチ法別では、開腹術の方が術後の苦痛に対する不安が強かった。これらから、手術を受ける患者は、侵襲の強さに関わらず同様の不安を抱えていることを踏まえ、入院時から解決に努める必要があると考えられた。なかでもアプローチ法別では先行研究からも同様のことがいわれているため、術後の苦痛緩和についてより時間をかけて関わることが必要になると考えられた。
手術経験では関係はみられなかったが、再発、転移のある人、術前化学療法を行っている人はSTAIの状態不安の得点が高かった。これらの患者には病状の進行が背景にあると考えられる。術前に着目し関わることも重要であるが、術後も継続して不安の解決に努める必要があると考えられた。
対象者を仕事の有無別でみると、仕事をしていない人の方が手術や術後の身体状態、術後の苦痛に対する不安が強かった。先行研究では、術前の患者には入院期間中も仕事に対して不安になることが示されているものもある。仕事をしていない人は仕事に関して考えることが少ない分、より自身の手術に対して考える時間が長くなることで、不安が生じやすくなると推察された。
全身麻酔で手術を受ける患者の入院時の不安の程度とそれに関連する要因を明らかにし、患者が抱える不安に対して関わりが必要な視点の示唆を得る。
【方法】
対象は2018年9月から2019年1月までにA病院B病棟に全身麻酔で手術目的に入院してきた患者。調査は入院時に自記式質問紙にて行った。内容は、手術、麻酔、術後の身体状態、術後の苦痛、術後の生活のそれぞれに対する不安の程度(全て0~100点のVASで評価。得点が高いほど不安が強い)、説明されている手術所要時間などの質問項目を作成。さらにSTAIの特性不安と状態不安(共に最大80点であり得点が高いほど不安が強い)も調査した。手術経験、再発、転移の有無などはカルテで確認した。解析について、群間による各種不安の程度、STAIの得点の比較はWilcoxonの順位和検定、手術時間と各種不安の程度、STAIの得点の関連はspearmanの相関係数をみた。解析にはJMP11.0を用いた。本研究は調査対象施設の倫理委員会の承認を得て行った。
【結果】
解析対象者は67人。平均年齢は66.9±12.2歳、男性43名、女性24名であった。疾患別では腸疾患20名、胃疾患13名、食道・肝・胆・膵疾患19名、胆嚢疾患15名、アプローチ法別では開腹術32名、腹腔鏡補助下35名であった。各種不安の程度の平均値は手術38.4±26.6、麻酔33.6±28.3、術後の身体状態43.5±23.6、術後の苦痛48.8±26.6、術後の生活43.1±28.1であった。STAIの特性不安は41.3±8.0点、状態不安は45.4±9.8点であった。説明されている手術所要時間は4.1±1.7時間であった。手術経験がある人の割合は59.7%、再発ありは10.4%、転移ありは17.4%であった。患者背景別でみると、再発、転移がある人はSTAIの状態不安の得点が高かった(*:p<0.05)。転移がある人は手術に対する不安*も強かった。手術所要時間と各種不安の程度、STAIの得点の間に関係はなかった。アプローチ法別では、術後の苦痛に関して開腹術の方が不安*が強かった。仕事の有無では、仕事をしていない人の方が手術、術後の身体症状、術後の苦痛に対する不安*が強かった。
【考察】
今回、説明されている手術所要時間と各種不安との間に関係はなかった。手術所要時間が長いと高侵襲手術と捉えられることがしばしばあるが、今回は関係はなかった。アプローチ法別では、開腹術の方が術後の苦痛に対する不安が強かった。これらから、手術を受ける患者は、侵襲の強さに関わらず同様の不安を抱えていることを踏まえ、入院時から解決に努める必要があると考えられた。なかでもアプローチ法別では先行研究からも同様のことがいわれているため、術後の苦痛緩和についてより時間をかけて関わることが必要になると考えられた。
手術経験では関係はみられなかったが、再発、転移のある人、術前化学療法を行っている人はSTAIの状態不安の得点が高かった。これらの患者には病状の進行が背景にあると考えられる。術前に着目し関わることも重要であるが、術後も継続して不安の解決に努める必要があると考えられた。
対象者を仕事の有無別でみると、仕事をしていない人の方が手術や術後の身体状態、術後の苦痛に対する不安が強かった。先行研究では、術前の患者には入院期間中も仕事に対して不安になることが示されているものもある。仕事をしていない人は仕事に関して考えることが少ない分、より自身の手術に対して考える時間が長くなることで、不安が生じやすくなると推察された。