[P4-7] クリティカルケア領域における看護師の臨床判断に関する文献レビュー
Keywords:臨床判断、文献レビュー、クリティカルケア
【目的】 クリティカルケア領域における看護師の臨床判断に関する文献レビューをおこなうことによって、研究の動向を明らかにする。
【方法】 医学中央雑誌web版を使用して国内の文献検索を行った。国内としたのは医療制度の違いから臨床判断に違いが出るとしたためである。期間は、2020年2月までのものとした。「臨床判断」「臨床的判断」をキーワードとし原著論文、看護論文に絞り検索をおこない259件が抽出された。抽出した文献で、クリティカルケアの場面以外の文献や臨床判断の教育、学生を対象とした文献を除外した。分析は、発表年次ごと、研究対象者の看護師経験年数ごと、臨床判断が行われた場面ごと、研究対象者の所属部署ごとに分類した。看護師経験年数の分類では、多くの文献で4年目以上を熟練看護師としていたため、その区分を採用した。臨床判断の内容については、思考のプロセスや判断の要因に焦点をあて分類した。
【結果】 17件の文献が選定された。年次推移は、1998年が1件、2005年から2009年が5件、2011年から2015年が5件、2016年から2019年が6件であった。看護師の経験年数による分類では、4年目以下の文献が3件、4年目以上の経験年数が対象の文献が6件、さまざまな経験年数の看護師が対象の論文は7件、対象者の経験年数が不明なものは1件であった。研究対象者の属性ごとでは、ICUなどのユニット系が8件、救急外来が1件、一般病棟が8件(ICUと一般病棟が研究対象の文献があり重複あり)であった。臨床判断の場面ごとの分類では、ICUにおけるケアが3件、一般病棟での周術期ケアが3件、救急外来でのケアが2件、急変対応が7件、その他(入室対応、呼吸ケア)が2件であった。ICUにおけるケアの内容では、体位変換や人工呼吸器管理の早期離脱や離床に関するの臨床判断の文献であった。周術期ケアにおいては離床に関する文献であった。臨床判断の内容については、ICUや周術期ケアについては臨床判断のプロセスに焦点が当てられ、救急外来や急変対応においては臨床判断の要因に焦点を当てていた。
【考察】 文献の年次推移では、2014年を境に徐々に増加傾向となっている。看護師の経験年数や所属部署という属性での特徴は、さまざまな経験年数における論文が多くなっており、教育の効果や経験年数での対比によって臨床判断を明らかにしようとする論文が増えていることを示唆している。看護師の所属部署では、ICUといったユニットと一般病棟での論文がほぼ同数であり、一般病棟におけるクリティカルケア領域の臨床判断能力が求められていると考える。2014年以降では、患者の回復過程における臨床判断の論文が増えている傾向にある。人工呼吸器管理や離床に関する内容であり、これはクリティカルケア領域において看護師が主体性をもって患者の回復過程に関わっていることが反映されていると考える。その反面、臨床判断が必要な場面ごとの分類では急変時対応での場面がもっとも多いことから、急変時対応における臨床判断の重要性は強いと思われる。急変対応と患者の回復促進という面において、所属の場所を問わず看護師の臨床判断能力が求められていることが考えられる。今後は、患者の回復過程における看護師の臨床判断能力の向上が望まれるとともに、その臨床判断能力は一般病棟で活かされる体系化された教育が必要となると考える。また、急変対応に関しては看護師の気づきや経験値を向上させる振り返りや教育が必要となると考える。
【方法】 医学中央雑誌web版を使用して国内の文献検索を行った。国内としたのは医療制度の違いから臨床判断に違いが出るとしたためである。期間は、2020年2月までのものとした。「臨床判断」「臨床的判断」をキーワードとし原著論文、看護論文に絞り検索をおこない259件が抽出された。抽出した文献で、クリティカルケアの場面以外の文献や臨床判断の教育、学生を対象とした文献を除外した。分析は、発表年次ごと、研究対象者の看護師経験年数ごと、臨床判断が行われた場面ごと、研究対象者の所属部署ごとに分類した。看護師経験年数の分類では、多くの文献で4年目以上を熟練看護師としていたため、その区分を採用した。臨床判断の内容については、思考のプロセスや判断の要因に焦点をあて分類した。
【結果】 17件の文献が選定された。年次推移は、1998年が1件、2005年から2009年が5件、2011年から2015年が5件、2016年から2019年が6件であった。看護師の経験年数による分類では、4年目以下の文献が3件、4年目以上の経験年数が対象の文献が6件、さまざまな経験年数の看護師が対象の論文は7件、対象者の経験年数が不明なものは1件であった。研究対象者の属性ごとでは、ICUなどのユニット系が8件、救急外来が1件、一般病棟が8件(ICUと一般病棟が研究対象の文献があり重複あり)であった。臨床判断の場面ごとの分類では、ICUにおけるケアが3件、一般病棟での周術期ケアが3件、救急外来でのケアが2件、急変対応が7件、その他(入室対応、呼吸ケア)が2件であった。ICUにおけるケアの内容では、体位変換や人工呼吸器管理の早期離脱や離床に関するの臨床判断の文献であった。周術期ケアにおいては離床に関する文献であった。臨床判断の内容については、ICUや周術期ケアについては臨床判断のプロセスに焦点が当てられ、救急外来や急変対応においては臨床判断の要因に焦点を当てていた。
【考察】 文献の年次推移では、2014年を境に徐々に増加傾向となっている。看護師の経験年数や所属部署という属性での特徴は、さまざまな経験年数における論文が多くなっており、教育の効果や経験年数での対比によって臨床判断を明らかにしようとする論文が増えていることを示唆している。看護師の所属部署では、ICUといったユニットと一般病棟での論文がほぼ同数であり、一般病棟におけるクリティカルケア領域の臨床判断能力が求められていると考える。2014年以降では、患者の回復過程における臨床判断の論文が増えている傾向にある。人工呼吸器管理や離床に関する内容であり、これはクリティカルケア領域において看護師が主体性をもって患者の回復過程に関わっていることが反映されていると考える。その反面、臨床判断が必要な場面ごとの分類では急変時対応での場面がもっとも多いことから、急変時対応における臨床判断の重要性は強いと思われる。急変対応と患者の回復促進という面において、所属の場所を問わず看護師の臨床判断能力が求められていることが考えられる。今後は、患者の回復過程における看護師の臨床判断能力の向上が望まれるとともに、その臨床判断能力は一般病棟で活かされる体系化された教育が必要となると考える。また、急変対応に関しては看護師の気づきや経験値を向上させる振り返りや教育が必要となると考える。