[P5-1] ICUにおける人工呼吸器装着患者に対する身体抑制フローチャート導入への取り組み
Keywords:身体抑制フローチャート、人工呼吸器
【目的】A病院ICUでは、今まで明確な身体抑制の判断基準を設けておらず、個々の判断に委ねられていることで看護師が不安を抱えている現状があった。そこで人工呼吸器装着患者を対象とした抑制帯フローチャート(以下フローチャートとする)を導入し、ICU看護師の意識に与える影響を明らかにしたいと考えた。err
【方法】導入前準備として2019年3月から、他施設(小坂ら2012)の抑制帯フローチャートを参考に抑制を最小限に留められる当病棟用の人工呼吸器装着患者抑制帯フローチャートを作成。ICU看護師に対して、鎮痛・鎮静に関する薬剤、自発覚醒トライアル、ICDSCの学習会を実施し、その後フローチャート使用方法の説明会を行った。
フローチャートは2019年5月から導入し、看護師複数名で身体抑制の必要性を判断した。看護師16名に対し、フローチャート導入前後でアンケート調査を実施した。アンケートは「フローチャートの必要性」「抑制開始・解除の判断に関する不安」「フローチャートの判定に沿った抑制解除が行えたか」など14項目について行った。本研究は所属病院倫理委員会の承認を得た上で実施した(NO.458)。
【結果】看護師16名、回収率100%であった。フローチャート導入期間での対象患者数は39名であった。アンケートの結果、 フローチャートの必要性については100%が必要だと回答した。理由として「身体抑制に対して判断に迷うため、開始・解除の根拠や判断基準が欲しい」「フローチャートを基に判断することで過剰な抑制を防ぐことに繋がる」との意見が聞かれた。抑制開始判断に関する不安では、導入前アンケートでは75%が不安を感じていたが、導入後には13%へと減少した。理由として「フローチャートの判定通りに実施することで不安が軽減した」「フローチャートにより倫理面について考えることができた」との意見が聞かれた。抑制解除判断に関する不安では、導入前アンケートでは100%が不安を感じていたが、導入後には75%へと減少した。理由として「基準が曖昧であったが、指標があることで不安が軽減した」「予定外抜去リスクが高いとの判断で抑制をしていたが必要性を検討するようになった」との意見が聞かれた。フローチャートの判定通りに抑制を解除できなかったと答えた割合は19%であった。理由として「個室などスタッフの目が届きにくい状況で不安」「患者が口元に手を持っていく動作が頻回だと不安」との意見が聞かれた。
【考察】フローチャートに沿って判定を行うことで、抑制を開始・解除する際の判断に統一した基準ができ、看護師の不安軽減に繋がった。またフローチャートには抑制を回避するための手段が示されていることから、看護師のアセスメントの視点が変化し、患者の尊厳を守ることに意識が向けられた可能性がある。一方で抑制解除時に75%の割合で不安が残った理由として、個室への入室や継続的な観察が行えない状況があった。結果を踏まえ、個室入室の際は継続的観察が行える担当看護師の割り振りや夜間帯での鎮静深度について医師と検討するなどフローチャート修正を図ることが今後の課題となる。
【方法】導入前準備として2019年3月から、他施設(小坂ら2012)の抑制帯フローチャートを参考に抑制を最小限に留められる当病棟用の人工呼吸器装着患者抑制帯フローチャートを作成。ICU看護師に対して、鎮痛・鎮静に関する薬剤、自発覚醒トライアル、ICDSCの学習会を実施し、その後フローチャート使用方法の説明会を行った。
フローチャートは2019年5月から導入し、看護師複数名で身体抑制の必要性を判断した。看護師16名に対し、フローチャート導入前後でアンケート調査を実施した。アンケートは「フローチャートの必要性」「抑制開始・解除の判断に関する不安」「フローチャートの判定に沿った抑制解除が行えたか」など14項目について行った。本研究は所属病院倫理委員会の承認を得た上で実施した(NO.458)。
【結果】看護師16名、回収率100%であった。フローチャート導入期間での対象患者数は39名であった。アンケートの結果、 フローチャートの必要性については100%が必要だと回答した。理由として「身体抑制に対して判断に迷うため、開始・解除の根拠や判断基準が欲しい」「フローチャートを基に判断することで過剰な抑制を防ぐことに繋がる」との意見が聞かれた。抑制開始判断に関する不安では、導入前アンケートでは75%が不安を感じていたが、導入後には13%へと減少した。理由として「フローチャートの判定通りに実施することで不安が軽減した」「フローチャートにより倫理面について考えることができた」との意見が聞かれた。抑制解除判断に関する不安では、導入前アンケートでは100%が不安を感じていたが、導入後には75%へと減少した。理由として「基準が曖昧であったが、指標があることで不安が軽減した」「予定外抜去リスクが高いとの判断で抑制をしていたが必要性を検討するようになった」との意見が聞かれた。フローチャートの判定通りに抑制を解除できなかったと答えた割合は19%であった。理由として「個室などスタッフの目が届きにくい状況で不安」「患者が口元に手を持っていく動作が頻回だと不安」との意見が聞かれた。
【考察】フローチャートに沿って判定を行うことで、抑制を開始・解除する際の判断に統一した基準ができ、看護師の不安軽減に繋がった。またフローチャートには抑制を回避するための手段が示されていることから、看護師のアセスメントの視点が変化し、患者の尊厳を守ることに意識が向けられた可能性がある。一方で抑制解除時に75%の割合で不安が残った理由として、個室への入室や継続的な観察が行えない状況があった。結果を踏まえ、個室入室の際は継続的観察が行える担当看護師の割り振りや夜間帯での鎮静深度について医師と検討するなどフローチャート修正を図ることが今後の課題となる。