[PD6-4] 看護の探求に繋げる研究活動―集中治療看護実践者の立場で取り組んだ経験―
Keywords:研究、ICU、集中治療看護実践者
私は、現在ICUで急性・重症患者看護専門看護師、スタッフ看護師の立場で看護実践を行っている。実践を通して感じた臨床疑問をスタッフと気軽に話題にし、興味関心を寄せたスタッフとチームを組み、研究活動に繋げている。
現在、部署内で取り組んでいるテーマは、「早期離床リハビリテーションプロトコル導入後の成果」である。早期離床リハビリテーションは、プロトコルを導入したことで、確実にICU内で促進され、挿管患者の歩行支援をする場面も増えた。一方で、一般病棟に転棟した後の患者は追跡調査しておらず、退院時のADLやQOLへの影響などは明らかになっていない。近年、「集中治療後症候群」がトピックスになっているように、クリティカル領域のアウトカムは、例えば人工呼吸管理日数など短期的なアウトカムだけでは評価しきれない。ICU、一般病棟、退院時、在宅、とフィールドを変え、長期的なアウトカムの評価に寄与する知見の積み上げが重要だと考える。単施設調査、ひとつの領域による調査では限界があるものの、今取り組んでいる研究を推進してエビデンスから実態を探求し、早期離床リハビリテーションのケアのブラッシュアップをしていきたいと考える。
また、研究活動においては、研究で得られた成果を論文としてまとめる作業がある。以前に取り組んだ「集中治療室で終末期を迎えた患者家族の代理意思決定プロセス」では、ICUで看取りをした遺族にインタビュー調査を行い、患者が終末期に至った時の思いや代理意思決定の内容とその思いなどを聞き、分析をした。ICUで終末期を迎えた患者家族の代理意思決定プロセスの全体像をまとめたが、この成果は、学会発表したものの、まだ論文化には至っていない。査読を受けて論文として公表することで、この研究の成果がより多くの人の目に触れ、臨床や今後の研究に生かしてもらえるようにすることが、研究に協力していただいた方への礼儀でもあり、研究活動のプロセスにおいて重要な課題だと考える。これについては、臨床看護師だけではノウハウが不十分なところもあり、大学―病院(臨床)で連携をもち、研究職の先生方にご指導賜りながらすすめていきたいと考える。
最後に、研究支援では、主にクリティカルなテーマに関連した研究に取り組む看護師の臨床疑問を研究課題へまとめる作業や計画書作成の支援などを行っている。今年度は、手術を控えた重症呼吸不全患者の腹臥位療法を安全に完遂できた一例を事例研究としてまとめたいと取り組んでいる看護師の支援をしている。私自身今まで事例研究の経験がなく、トライアンドエラーを重ね、共に学び合いながら計画書を作成している。これから分析に入るところであるが、計画を練っていくうちに、事例研究には臨床看護師の普段は気にとめないような暗黙知や工夫を可視化し、看護を伝え紡ぐことができる大切な要素があると気づかされた。ひとつひとつの事例研究によって、細かな知見の積み重ねが概念化され、看護のワザとなって質向上に寄与するのではないかと考える。
現在、部署内で取り組んでいるテーマは、「早期離床リハビリテーションプロトコル導入後の成果」である。早期離床リハビリテーションは、プロトコルを導入したことで、確実にICU内で促進され、挿管患者の歩行支援をする場面も増えた。一方で、一般病棟に転棟した後の患者は追跡調査しておらず、退院時のADLやQOLへの影響などは明らかになっていない。近年、「集中治療後症候群」がトピックスになっているように、クリティカル領域のアウトカムは、例えば人工呼吸管理日数など短期的なアウトカムだけでは評価しきれない。ICU、一般病棟、退院時、在宅、とフィールドを変え、長期的なアウトカムの評価に寄与する知見の積み上げが重要だと考える。単施設調査、ひとつの領域による調査では限界があるものの、今取り組んでいる研究を推進してエビデンスから実態を探求し、早期離床リハビリテーションのケアのブラッシュアップをしていきたいと考える。
また、研究活動においては、研究で得られた成果を論文としてまとめる作業がある。以前に取り組んだ「集中治療室で終末期を迎えた患者家族の代理意思決定プロセス」では、ICUで看取りをした遺族にインタビュー調査を行い、患者が終末期に至った時の思いや代理意思決定の内容とその思いなどを聞き、分析をした。ICUで終末期を迎えた患者家族の代理意思決定プロセスの全体像をまとめたが、この成果は、学会発表したものの、まだ論文化には至っていない。査読を受けて論文として公表することで、この研究の成果がより多くの人の目に触れ、臨床や今後の研究に生かしてもらえるようにすることが、研究に協力していただいた方への礼儀でもあり、研究活動のプロセスにおいて重要な課題だと考える。これについては、臨床看護師だけではノウハウが不十分なところもあり、大学―病院(臨床)で連携をもち、研究職の先生方にご指導賜りながらすすめていきたいと考える。
最後に、研究支援では、主にクリティカルなテーマに関連した研究に取り組む看護師の臨床疑問を研究課題へまとめる作業や計画書作成の支援などを行っている。今年度は、手術を控えた重症呼吸不全患者の腹臥位療法を安全に完遂できた一例を事例研究としてまとめたいと取り組んでいる看護師の支援をしている。私自身今まで事例研究の経験がなく、トライアンドエラーを重ね、共に学び合いながら計画書を作成している。これから分析に入るところであるが、計画を練っていくうちに、事例研究には臨床看護師の普段は気にとめないような暗黙知や工夫を可視化し、看護を伝え紡ぐことができる大切な要素があると気づかされた。ひとつひとつの事例研究によって、細かな知見の積み重ねが概念化され、看護のワザとなって質向上に寄与するのではないかと考える。