第16回日本クリティカルケア看護学会学術集会

講演情報

パネルディスカッション

[PD6] クリティカルケア領域における臨床研究の課題と挑戦

企画:山勢 博彰(山口大学)

[PD6-3] クリティカルケア領域での早期リハビリテーションの臨床研究の実践

○佐伯 京子1 (1. 山口大学医学部附属病院 ICU)

キーワード:臨床研究、早期リハビリテーション、重症患者

 クリティカルケア領域での臨床研究は、重症患者や家族に臨床研究の結果を還元できることを目的に実施していることが多い。私自身も臨床で研究を実施する際にいかに患者に還元できるかを考え、テーマを選択してきた。私は10年前から早期リハビリテーションについての研究を行っている。その研究テーマを見出したきっかけは、術後の回復過程の中で、早期リハビリテーションが順調にできる患者とそうでない患者がおり、その違いはなにかが気になったことである。そこで、ICU入室中から病棟退室後の期間で、リハビリテーション開始前・後の循環や呼吸に関連した指標に違いがないかの検討を行った。
 その後、ICUにおける早期リハビリテーションの中でも順調にできる患者とできない患者がおり、それは循環や呼吸だけの問題ではないのではないかと考えた。また、順調にできない患者はリハビリテーションがすすまないままであり、看護師もまた徐々にリハビリテーションへの意欲が患者と同様に減ってきていると感じていた。そのため、ベッド上で安全にリハビリテーションができる方法があれば日々の看護実践に導入しやすいのではないかと考えた。そこで、早期リハビリテーションが順調にすすんでいない患者へのベッド上で実施できるリハビリテーションを検討した。ベッド上で実施できるリハビリテーションとして、深呼吸法とベッド上での下肢ペダリング運動法について、呼吸、循環、意欲、筋力の側面からクロスオーバーデザインで健常者に実施する基礎研究を行った。
 平成30年の診療報酬改定で「早期離床・リハビリテーション加算」が新設された中で、今後も患者の状態をどのようにアセスメント・実践し、患者の回復を支える看護をしていくか、研究的に証明しながら実践していきたいと考えている。臨床研究を行っていくことは、臨床の中からテーマを見出していくクリティカルシンキングの力や研究計画を立て行っていく実践能力など多くの力が必要となる。近年看護師の働き方を改革し、ワークライフバランスの充実が求められているなか、業務的な問題も影響してきている。そのようななかでどのように臨床研究を実践していくかを本セッションで検討していきたいと考えている。