[O11-05] 卒後4年目看護師の人工呼吸器装着中患者の回復促進を支えるケアの臨床判断
Keywords:臨床判断、看護ケア、4年目看護師、人工呼吸器装着患者
【目的】本研究の目的は、クリティカルケア領域で働く4年目看護師の人工呼吸器装着中の患者に対する回復促進のためのケアを行う際の臨床判断を明らかにすることである。
【方法】研究デザインは、質的帰納的研究である。人工呼吸器装着中患者の受け持ち経験のある卒後4年目看護師に対して半構成的面接を実施した。分析方法は、逐語録からケアの臨床判断と思われる部分を抜粋し、文脈の意味が損なわれないように整理し、要約した上で、臨床判断についての解釈を行った。解釈した記述内容を類似性に基づき分類し、分類ごとに名称をつけた。本研究は対象施設倫理委員会の承認を得た上で実施した。
【結果】研究参加者は、近畿圏の2カ所の病院に所属する男性2名、女性5名の計7名であった。分析の結果、4年目看護師の臨床判断は、30の解釈が得られ、3つの大カテゴリーと9つのカテゴリーに分類され、大カテゴリーは、【呼吸・循環・意識や患者の願いなどの身体的・心理的な情報を集め、患者に必要なケアの方法を考え工夫している】【患者の生理的データから、予測される合併症予防のためのケアを考え実施している】【治療方針の理解によって、治療の見通しを立てた確実なケアを考え実践している】であった。ケアを実施する判断のための情報・手がかりとして、呼吸や循環の生理学的データの把握や患者の訴えから情報を得ること、患者の状態から合併症リスクを把握すること、ケア実施による効果や患者の全身状態のバランスへの影響を考慮していることが明らかとなった。
【考察】4年目看護師は、患者の様々な主観的や客観的な情報を集め、治療を理解することで、患者の状態の変化を予測し、患者の状態に合った必要なケアや合併症予防のケアを考え実践していた。また、医師や先輩看護師に治療方針やケア内容を確認することによって確実なケアを考え実践していた。本研究では、ケアの対象が人工呼吸器装着中の患者であったため、【患者の生理的データから、予測される合併症予防のためのケアを考え実施している】からわかるように、看護師が主として合併症予防の役割を担ってケアを考え実施していることを示すものであると言える。先行研究では5年目以上の看護師が主観的・客観的データによって身体・心理面の情報を得て、ケアの内容を見極めていることが明らかにされているが、本研究の4年目看護師において【呼吸・循環・意識や患者の願いなどの身体的・心理的な情報を集め、患者に必要なケアの方法を考え工夫している】という臨床判断がされていたことが示された。また、【治療方針の理解によって、治療の見通しを立てた確実なケアを考え実践している】のようにケアについて医師や先輩看護師に治療方針やケアの内容を確認し確実なケアを考えて実施していることから、治療が重視され患者の状態が不安定であるクリティカルケア領域において、安全なケアが看護師に求められている背景があると考える。今後、4年目看護師が自己のおこなったケアが正しいかどうかを常に考え続けるような場を作り、ケアの振り返りを行うことは、臨床判断を向上させる契機になると考える。
【結論】4年目看護師の人工呼吸器装着中患者に対する回復を促進するケアの臨床判断は、生理的データ、予測される合併症リスク、ケアの効果などケアを実施する判断のための情報や手がかりを基に、患者に必要なケアの方法を考えて実践することであった。
【方法】研究デザインは、質的帰納的研究である。人工呼吸器装着中患者の受け持ち経験のある卒後4年目看護師に対して半構成的面接を実施した。分析方法は、逐語録からケアの臨床判断と思われる部分を抜粋し、文脈の意味が損なわれないように整理し、要約した上で、臨床判断についての解釈を行った。解釈した記述内容を類似性に基づき分類し、分類ごとに名称をつけた。本研究は対象施設倫理委員会の承認を得た上で実施した。
【結果】研究参加者は、近畿圏の2カ所の病院に所属する男性2名、女性5名の計7名であった。分析の結果、4年目看護師の臨床判断は、30の解釈が得られ、3つの大カテゴリーと9つのカテゴリーに分類され、大カテゴリーは、【呼吸・循環・意識や患者の願いなどの身体的・心理的な情報を集め、患者に必要なケアの方法を考え工夫している】【患者の生理的データから、予測される合併症予防のためのケアを考え実施している】【治療方針の理解によって、治療の見通しを立てた確実なケアを考え実践している】であった。ケアを実施する判断のための情報・手がかりとして、呼吸や循環の生理学的データの把握や患者の訴えから情報を得ること、患者の状態から合併症リスクを把握すること、ケア実施による効果や患者の全身状態のバランスへの影響を考慮していることが明らかとなった。
【考察】4年目看護師は、患者の様々な主観的や客観的な情報を集め、治療を理解することで、患者の状態の変化を予測し、患者の状態に合った必要なケアや合併症予防のケアを考え実践していた。また、医師や先輩看護師に治療方針やケア内容を確認することによって確実なケアを考え実践していた。本研究では、ケアの対象が人工呼吸器装着中の患者であったため、【患者の生理的データから、予測される合併症予防のためのケアを考え実施している】からわかるように、看護師が主として合併症予防の役割を担ってケアを考え実施していることを示すものであると言える。先行研究では5年目以上の看護師が主観的・客観的データによって身体・心理面の情報を得て、ケアの内容を見極めていることが明らかにされているが、本研究の4年目看護師において【呼吸・循環・意識や患者の願いなどの身体的・心理的な情報を集め、患者に必要なケアの方法を考え工夫している】という臨床判断がされていたことが示された。また、【治療方針の理解によって、治療の見通しを立てた確実なケアを考え実践している】のようにケアについて医師や先輩看護師に治療方針やケアの内容を確認し確実なケアを考えて実施していることから、治療が重視され患者の状態が不安定であるクリティカルケア領域において、安全なケアが看護師に求められている背景があると考える。今後、4年目看護師が自己のおこなったケアが正しいかどうかを常に考え続けるような場を作り、ケアの振り返りを行うことは、臨床判断を向上させる契機になると考える。
【結論】4年目看護師の人工呼吸器装着中患者に対する回復を促進するケアの臨床判断は、生理的データ、予測される合併症リスク、ケアの効果などケアを実施する判断のための情報や手がかりを基に、患者に必要なケアの方法を考えて実践することであった。