3:19 PM - 3:30 PM
[O13-06] COVID-19による面会制限におけるICU看護師の患者や家族への対応と看護師のストレスに関する実態調査
Keywords:COVID-19、面会制限、家族看護
【目的】COVID-19による面会制限での看護師の患者家族への対応や看護師のストレスおよび困難の実態調査を行い、看護師のストレス軽減や患者と家族対応への一助とすること
【方法】A病院ICUに勤務する看護師48名を対象に2021/11/01~2021/11/14を調査期間とし無記名式の質問紙調査を実施。質問紙の内容はCOVID-19患者看護の有無、リーダー従事の有無、面会の効果や目的を①患者および家族が互いに会うことができる保証、②患者および家族が適切にインフォームドコンセントを受けられること、③家族へ患者の現在の状況を伝えること、④患者および家族の希望する治療方針の把握、⑤患者の状態に対する家族の理解度の把握、⑥患者および家族の希望の把握、⑦患者および家族の不安の緩和、⑧家族のケアへの参加、⑨患者の日常生活の情報収集、⑩家族の精神状況の把握、⑪家族の身体状況の把握、と想定し、5段階で回答する15の質問項目と困難を感じた内容及び面会制限での工夫に自由記載欄を設け、厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票」も配布した。分析は困難の有無、職業性ストレス簡易調査の単純合計評価基準を参考にストレスの有無の群に分類し、Mann-WhitneyのU検定を行った。自由記載内容は質的帰納的に分析を行った。統計解析にはEZRを使用した。倫理的配慮は質問紙への回答をもって同意を得たとみなし、質問紙は無記名、個人が特定されないように厳重に管理した。当研究は所属施設の倫理審査委員会の承認を得た。
【結果】44名(回収率91%)から回答、39名(有効回答率88%)を分析対象とした。COVID-19患者看護経験あり17名(44%)なし22名(56%)、リーダー従事あり29名(74%)なし10名(26%)、面会制限で困難あり31名(79%)なし8名(21%)、職業性ストレス簡易調査でストレスあり6名(15%)、なし33名(85%)と回答した。面会効果・目的に関する15項目については各群において有意差はみられなかった。面会制限において苦労したことについては50のサブカテゴリーから《面会希望に対応することへの困難》、《面会制限を強いる苦痛》、《家族が患者の病状把握ができない》、《患者の情報が得られず理想のケアができない》、《患者と家族の不安を緩和できない》、《家族の希望に応えられない》、《電話対応の困難》の7カテゴリー、面会制限下における工夫については30のサブカテゴリーから《患者と家族への電話や写真を用いたコミュニケーションの提供》、《医師に電話でのICの依頼》、《いつでも電話連絡できる保証》、《家族へ細やかな説明と対応》、《家族の心情の理解と寄り添い》、《医療者間での情報共有》の6カテゴリーが抽出された。
【考察】職業性ストレス簡易調査の単純合計評価では「心身のストレス反応」に重点を置いており、今回の調査でストレスがあると判断された看護師は少なかったと推測される。しかし面会制限により困難を感じた看護師は79%に及んでおり、多くのICU看護師が面会制限により困難を感じていることが明らかになった。看護師は家族の病状理解が難しかったり、面会希望に応えられなかったりすることに困難を抱えつつ、写真や電話などの媒体を使用し解決への働きかけを行っていると考えられる。今回の調査では写真や電話でのコミュニケーションが重要視されており、コミュニケーションツールの使用が困難の緩和やより良い患者と家族対応の重要な要素になると示唆された。
【結論】面会制限で多くの看護師が困難を抱えており、写真や電話などの媒体を使用しながら対応を行っていることが明らかになった。
【研究の限界】本研究は1施設を対象にしており結果の一般化には限界がある。抽出度を高めるために更なるデータ収集が求められる。
【方法】A病院ICUに勤務する看護師48名を対象に2021/11/01~2021/11/14を調査期間とし無記名式の質問紙調査を実施。質問紙の内容はCOVID-19患者看護の有無、リーダー従事の有無、面会の効果や目的を①患者および家族が互いに会うことができる保証、②患者および家族が適切にインフォームドコンセントを受けられること、③家族へ患者の現在の状況を伝えること、④患者および家族の希望する治療方針の把握、⑤患者の状態に対する家族の理解度の把握、⑥患者および家族の希望の把握、⑦患者および家族の不安の緩和、⑧家族のケアへの参加、⑨患者の日常生活の情報収集、⑩家族の精神状況の把握、⑪家族の身体状況の把握、と想定し、5段階で回答する15の質問項目と困難を感じた内容及び面会制限での工夫に自由記載欄を設け、厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票」も配布した。分析は困難の有無、職業性ストレス簡易調査の単純合計評価基準を参考にストレスの有無の群に分類し、Mann-WhitneyのU検定を行った。自由記載内容は質的帰納的に分析を行った。統計解析にはEZRを使用した。倫理的配慮は質問紙への回答をもって同意を得たとみなし、質問紙は無記名、個人が特定されないように厳重に管理した。当研究は所属施設の倫理審査委員会の承認を得た。
【結果】44名(回収率91%)から回答、39名(有効回答率88%)を分析対象とした。COVID-19患者看護経験あり17名(44%)なし22名(56%)、リーダー従事あり29名(74%)なし10名(26%)、面会制限で困難あり31名(79%)なし8名(21%)、職業性ストレス簡易調査でストレスあり6名(15%)、なし33名(85%)と回答した。面会効果・目的に関する15項目については各群において有意差はみられなかった。面会制限において苦労したことについては50のサブカテゴリーから《面会希望に対応することへの困難》、《面会制限を強いる苦痛》、《家族が患者の病状把握ができない》、《患者の情報が得られず理想のケアができない》、《患者と家族の不安を緩和できない》、《家族の希望に応えられない》、《電話対応の困難》の7カテゴリー、面会制限下における工夫については30のサブカテゴリーから《患者と家族への電話や写真を用いたコミュニケーションの提供》、《医師に電話でのICの依頼》、《いつでも電話連絡できる保証》、《家族へ細やかな説明と対応》、《家族の心情の理解と寄り添い》、《医療者間での情報共有》の6カテゴリーが抽出された。
【考察】職業性ストレス簡易調査の単純合計評価では「心身のストレス反応」に重点を置いており、今回の調査でストレスがあると判断された看護師は少なかったと推測される。しかし面会制限により困難を感じた看護師は79%に及んでおり、多くのICU看護師が面会制限により困難を感じていることが明らかになった。看護師は家族の病状理解が難しかったり、面会希望に応えられなかったりすることに困難を抱えつつ、写真や電話などの媒体を使用し解決への働きかけを行っていると考えられる。今回の調査では写真や電話でのコミュニケーションが重要視されており、コミュニケーションツールの使用が困難の緩和やより良い患者と家族対応の重要な要素になると示唆された。
【結論】面会制限で多くの看護師が困難を抱えており、写真や電話などの媒体を使用しながら対応を行っていることが明らかになった。
【研究の限界】本研究は1施設を対象にしており結果の一般化には限界がある。抽出度を高めるために更なるデータ収集が求められる。