10:40 AM - 11:10 AM
[PC4-02] ICUでPNSは有効でない
Keywords:PNS、ICU
看護方式の1つであるパートナーシップ・ナーシング・システム(以下PNS)が福井大学で開発され、様々な効果の報告とともに導入または導入を検討している施設は増加傾向である。その一方で、集中治療領域など緊急性と専門性が求められる領域では、導入の躊躇や導入したもののその効果に疑問視する報告もある。私は、ICUでPNSは有効でないと考えている。
一般的なPNSの効果として、「情報の共有ができる」、「時間外勤務が削減」、「認知行動の増加によるインシデントの削減」、「人材育成」、「離職率の低下」など報告されている。果たして、ICUで同様の効果が得られるのだろうか。施設の特徴をもとに、教育的側面・業務的側面・管理的側面など多方面からICUでの有効性を検討する必要がある。ICUは2対1看護体制であり、仮にICUの病床数が8床の場合、常時4人の看護師が勤務することになる。この4人がペアリングとなり、2人で4人の患者を受け持つことになる。ベテラン看護師同士のペアリングであれば可能かもしれないが、新人とベテランの組み合わせの場合、ベテラン看護師が1人で4人の患者を担当し、新人看護師に教育している光景が目に浮かぶ。患者の病態が刻々と変化するクリティカルケア領域においては、ベテラン看護師に想像を絶する負担があるだろう。新人看護師の離職率は低下しても、ベテラン看護師の疲弊や離職はどうだろうか。少なくとも、良好な関係が構築できれば新人看護師にとってメリットは多い。しかし、このペアリングの関係が崩れると、途中からペアリングを組み直すことも容易ではなく、病棟全体に影響が及ぶ可能性を危惧する。そして、実際に指導が可能な人員が充足しているとも考えにくく、ペアリングで交代勤務のシフトを組むことも非常に困難と考える。
ICUでのPNSは、部分的な効果はあるかもしれない。しかし、総合的に考えれば有効ではない。どこに効果を求めるかが有効性を判断する鍵となる。このセッションを通じて、各施設における新しい看護方式を導入したい理由を整理し、各施設の特徴に合わせた工夫が見いだせるセッションにしたいと考えている。
一般的なPNSの効果として、「情報の共有ができる」、「時間外勤務が削減」、「認知行動の増加によるインシデントの削減」、「人材育成」、「離職率の低下」など報告されている。果たして、ICUで同様の効果が得られるのだろうか。施設の特徴をもとに、教育的側面・業務的側面・管理的側面など多方面からICUでの有効性を検討する必要がある。ICUは2対1看護体制であり、仮にICUの病床数が8床の場合、常時4人の看護師が勤務することになる。この4人がペアリングとなり、2人で4人の患者を受け持つことになる。ベテラン看護師同士のペアリングであれば可能かもしれないが、新人とベテランの組み合わせの場合、ベテラン看護師が1人で4人の患者を担当し、新人看護師に教育している光景が目に浮かぶ。患者の病態が刻々と変化するクリティカルケア領域においては、ベテラン看護師に想像を絶する負担があるだろう。新人看護師の離職率は低下しても、ベテラン看護師の疲弊や離職はどうだろうか。少なくとも、良好な関係が構築できれば新人看護師にとってメリットは多い。しかし、このペアリングの関係が崩れると、途中からペアリングを組み直すことも容易ではなく、病棟全体に影響が及ぶ可能性を危惧する。そして、実際に指導が可能な人員が充足しているとも考えにくく、ペアリングで交代勤務のシフトを組むことも非常に困難と考える。
ICUでのPNSは、部分的な効果はあるかもしれない。しかし、総合的に考えれば有効ではない。どこに効果を求めるかが有効性を判断する鍵となる。このセッションを通じて、各施設における新しい看護方式を導入したい理由を整理し、各施設の特徴に合わせた工夫が見いだせるセッションにしたいと考えている。