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[SL3-02] 実践!クリティカルケアの中でも緩和ケア
Keywords:緩和ケア、コミュニケーション
緩和ケアというとどのようなイメージをお持ちでしょうか?治療でできることがない・最期にモルヒネを流される・死を待つだけという印象を持たれている人が多いかもしれません。最近は、がん以外の患者さんも、場所を問わず、より早い段階から緩和ケアを提供しようという方向に変わってきています。緩和ケアとは病気に伴う心と体の痛みを和らげて、患者と家族のQOLを上げることです。 救急医療の中でも緩和ケアを提供することが最近重要視されています。筆者は元救急医で3年前に緩和ケア医に転身しました。救急医は目の前の人を助けるのが仕事ですが、残念ながら助からない人がいるのも事実です。たとえ身体が助けられなくても、心は助けられるようになりたいという思いで取り組んでいます。 救急医療と緩和ケアは一見正反対に見えるかもしれません。しかし、命の危機に瀕している患者さんのためにできる限りのことをするという視点では心は同じです。 当院では、救急集中治療部と連携医療緩和ケア科で定期的に勉強会を行っております。どんな過ごし方が目の前の患者さんにとって最もよいだろうか?どのような治療で”こんなはずじゃなかった”を避けれるだろうか?と真剣に向き合っています。当院におけるICUにおける緩和ケアの実践について紹介いたします。 また、ICUナースに知ってほしい緩和ケアについてもお話します。 緩和ケアの重要な要素として、症状緩和、社会資源の調整、コミュニケーションがあります。海外のICUでは緩和ケアと集中治療の統合が進んでいます。その中で最も重要なことがICU看護師のコミュニケーションと言われています。ICU看護師こそが共同意思決定を促す中心的な立場にあります。特にIMPACT-ICU(Integrating Multidisciplinary Palliative Care into the ICU)という取り組みが非常に有用です。これはベッドサイドの看護師を訓練および支援することにより、緩和ケアをICUに統合するためのコミュニケーションスキルトレーニングプログラムです。 ICU看護師が行う3つのコミュニケーションについて紹介されています。 1 看護師-家族の会話 2看護師-医師の会話 3 家族会議での看護師の役割 としてどのようなことが期待されるかについてご紹介します。