第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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プラクティスセミナー(オンデマンド)

[WS2] プラクティスセミナー(オンデマンド配信)

Sun. Jun 12, 2022 9:00 AM - 2:00 PM プラクティスセミナー (オンデマンド配信)

11:00 AM - 12:00 PM

[WS2-03] 遠隔ICUの実際

○森口 真吾1 (1. 株式会社T-ICU)



Keywords:遠隔ICU

日本遠隔医療学会の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」によると、遠隔医療とは「情報通信機器を活用した健康増進,医療に関する行為」と定義されている。そして、その遠隔医療は大きく2つに分けることができる。Doctor to Doctor(D to D)やNurse to Nurse(N to N)など医療者が医療者を支援する遠隔医療と、医師や看護師が患者を診療・看護する遠隔医療である。そして遠隔ICUは、D to DやN to Nの遠隔医療に含まれる。
2021年に日本集中治療医学会から「遠隔ICU設置と運用に関する指針」が出されており、その中で遠隔ICUの定義についても記載されている。そこには、「遠隔ICUは現場医療に代わるものではなく、医療資源の活⽤とプロセスの標準化を通じて現場医療を強化するよう設計されている。」と記載されている。つまり、病院外の施設にいる専門医や認定看護師を集め、その施設と被支援病院のICUの間で情報通信技術を用いて患者の情報を共有し、プロセスの標準化などを目的に診療・看護のアドバイスをするものである。これらはあくまでも医療現場を強化するために設計されるものであり、現場の医療に代わるものではないことを認識することが重要である。
現在のシステムを用いた遠隔ICUは、2000年頃からアメリカで開始されたが、日本においては2018年から開始されている。現在は大学と関連病院を結んだ支援や、都道府県をあげて大学が県内の病院を支援する取り組みなどが始まっている。その他、医療法人の枠を超えて企業が僻地の病院や、専門医・認定看護師などが不在の病院を支援する遠隔ICUも進んできている。
これら遠隔ICUには、支援体制により3つのモデルに分類されている。(図1)その中でも、遠隔ICUを提供する企業であるT-ICUは、主に計画ケアモデル及び急変時対応モデルで支援している。計画ケアモデルにおいては、遠隔ICU導入前から実施されていた多職種回診やカンファレンス、RSTなどの回診に参加する方法などで、支援を提供している。急変時対応モデルは、24時間問わず患者の状態に懸念がある時に医師・看護師からの相談にのることを実施している。忙しい臨床現場の中で効果的な支援が提供できるように、各病院の医師・看護師とこまめなコミュニケーションをとることを心がけている。また定期的に病院へ訪問し遠隔医療でありながらも顔の見える関係性構築を目指している。本セッションではこれら具体的な支援の実際・今後の構想について説明する。
WS2-03