[O18-6] 看護師とスポーツトレーナーを目指す大学生の救命行動に対する実施意思
【目的】一次救命処置(以下BLS)講習後に焦点を当て、看護師とアスレティックトレーナーを目指す大学生の救命行動に対する実施意思を明らかにすることが目的である。
【方法】A大学内のBLS講習を受講終了した看護大学生3年次生127名、アスレティックトレーナーを目指す大学生(以下トレーナー学生)1~4年生55人を対象とした。過去のBLS講習の受講経験、今後の受講意欲、BLSが必要な現場で実施するかどうかという実施意思に関する質問等について対象者が出席する授業後に質問紙と説明書を配布し、研究者が口頭で説明し、独自に作成した無記名式自記式質問紙調査を実施した。回答は、看護大学生71人(回収率56%)、トレーナー学生31人(56%)であった。
【倫理的配慮】本研究は帝京平成大学倫理審査委員会にて承認を受け(承認番号30-017)研究の利益相反関係についても同大学利益相反委員会の審査と判定を受けている(受付番号30-020) 。説明内容は研究参加の自由意思、本人の成績に不利益が生じない事、研究成果の公表、データの厳重管理、個人が特定されない事への配慮した事等で、回答により同意を得た。
【結果】「今後自主的にBLS講習を受講したいか」の質問で「はい」を選んだ人は看護大学生が38人(61%)、トレーナー学生が26人(90.0%)であった。「はい」を選択した理由として、看護大学生でのみ「働くとき」、トレーナー学生でのみ「資格の更新」があげられており、それぞれ特徴的な回答であった。「実際に目の前で人が倒れており、すでに助けようとする人が集まっている場合、自分はどうしますか」という質問では、トレーナー学生は「(BLSを)実施する」と26人(63.4%)、看護大学生は「補助的に参加する」が47人(51.6%)と一番多かった。そして、看護大学生はBLSを実施する理由として「知識があるから」、「協力」して実施すると答えていた一方、トレーナー学生は「交代者が必要だから」「役割があるから」「リーダーシップが必要だから」と多くが答えていた。
【考察】今後もBLS講習を受講したい学生は看護大学生よりもトレーナー学生の割合が高く、BLSに関する資格を有することから、BLS講習の受講意欲や救命行動実施意思に影響していた。実際の現場を想定した質問で、多くのトレーナー学生は「BLSを実施する」と回答して実施意思を示しており、「交代者が必要だから」と一人では限界があることを念頭におき、協力して実施することをシュミレーションしていた。また、スポーツの試合などではスポーツトレーナーの人数は少ないことも想定して「リーダーシップ」が必要で、胸骨圧迫やAEDなど「役割があるから」と基となる知識が定着し、看護大学生よりより実際の救命行動をイメージできていた。A大学の場合、看護学生はBLSの資格はなく、4年間で演習授業1回、講義授業1回しか学ぶことがないことから救命行動には自信がなく「補助的に参加する」と答えており、トレーナー学生よりも「協力」しながらBLSを実施したいと意思を示していた「救命には勇気と人を助けたい思いが必要」1)といわれ、その人がもつ救命行動実施意思とBLSを体験する機会の確保が重要である。
【文献】1)堀理江,藪下八重,廣坂恵他:看護基礎教育における高性能シミュレータを用いた心肺蘇生法演習の学びと課題,ヒューマンケア研究会雑誌,4(1),2012.
【方法】A大学内のBLS講習を受講終了した看護大学生3年次生127名、アスレティックトレーナーを目指す大学生(以下トレーナー学生)1~4年生55人を対象とした。過去のBLS講習の受講経験、今後の受講意欲、BLSが必要な現場で実施するかどうかという実施意思に関する質問等について対象者が出席する授業後に質問紙と説明書を配布し、研究者が口頭で説明し、独自に作成した無記名式自記式質問紙調査を実施した。回答は、看護大学生71人(回収率56%)、トレーナー学生31人(56%)であった。
【倫理的配慮】本研究は帝京平成大学倫理審査委員会にて承認を受け(承認番号30-017)研究の利益相反関係についても同大学利益相反委員会の審査と判定を受けている(受付番号30-020) 。説明内容は研究参加の自由意思、本人の成績に不利益が生じない事、研究成果の公表、データの厳重管理、個人が特定されない事への配慮した事等で、回答により同意を得た。
【結果】「今後自主的にBLS講習を受講したいか」の質問で「はい」を選んだ人は看護大学生が38人(61%)、トレーナー学生が26人(90.0%)であった。「はい」を選択した理由として、看護大学生でのみ「働くとき」、トレーナー学生でのみ「資格の更新」があげられており、それぞれ特徴的な回答であった。「実際に目の前で人が倒れており、すでに助けようとする人が集まっている場合、自分はどうしますか」という質問では、トレーナー学生は「(BLSを)実施する」と26人(63.4%)、看護大学生は「補助的に参加する」が47人(51.6%)と一番多かった。そして、看護大学生はBLSを実施する理由として「知識があるから」、「協力」して実施すると答えていた一方、トレーナー学生は「交代者が必要だから」「役割があるから」「リーダーシップが必要だから」と多くが答えていた。
【考察】今後もBLS講習を受講したい学生は看護大学生よりもトレーナー学生の割合が高く、BLSに関する資格を有することから、BLS講習の受講意欲や救命行動実施意思に影響していた。実際の現場を想定した質問で、多くのトレーナー学生は「BLSを実施する」と回答して実施意思を示しており、「交代者が必要だから」と一人では限界があることを念頭におき、協力して実施することをシュミレーションしていた。また、スポーツの試合などではスポーツトレーナーの人数は少ないことも想定して「リーダーシップ」が必要で、胸骨圧迫やAEDなど「役割があるから」と基となる知識が定着し、看護大学生よりより実際の救命行動をイメージできていた。A大学の場合、看護学生はBLSの資格はなく、4年間で演習授業1回、講義授業1回しか学ぶことがないことから救命行動には自信がなく「補助的に参加する」と答えており、トレーナー学生よりも「協力」しながらBLSを実施したいと意思を示していた「救命には勇気と人を助けたい思いが必要」1)といわれ、その人がもつ救命行動実施意思とBLSを体験する機会の確保が重要である。
【文献】1)堀理江,藪下八重,廣坂恵他:看護基礎教育における高性能シミュレータを用いた心肺蘇生法演習の学びと課題,ヒューマンケア研究会雑誌,4(1),2012.