第21回日本救急看護学会学術集会

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一般演題(ラウンドテーブルディスカッション (RTD))

RRS

[RTD6] RTD(CN)6群 RRS

Fri. Oct 4, 2019 2:10 PM - 3:30 PM RTD会場 (2F 国際会議室)

座長:丹羽 由美子(愛知医科大学病院)

[RTD6-8] A病院のRRS活動

中田 哲也, 中山 麻実, 吉田 紀子, 横地 瑞, 佐藤 晃子, 白石 浩子 (獨協医科大学病院)

【はじめに】

A病院では、医療安全推進で急変患者対応として院内急変時の対応があり、要請の多くは心肺停止の症例である。急変患者の多くは、6~8時間前に何らかの兆候があるといわれており、その前兆に気づき早期に介入が必要であるといわれている。そのため大学病院としてRRS(Rapid response system)の必要性があり、また急変の前兆に気づいているが適切な対応ができない症例が続いたことで、医療安全推進センターの委員会の1つとして2018年3月RRS委員会が立ち上り、それ以降の活動について報告する。

【RRS活動】

RRS委員は、医療安全推進センター専従看護師・薬剤師・事務、医師(救命医師、救急蘇生の教育医師、呼吸器医師など)、看護師(ICU・救命師長、専門看護師、認定看護師など)、臨床工学技士の合計23名で構成され、1回/月の会議を行い、研修会、活動、基準や記録用紙、活動内容などを検討してきた。

2018年8月に全職員対象にRRS研修会を行い、211名の参加があった。RRSとして専用のPHSを用意してもらい、RRSの要請者は看護師が多いと思われたため、急性・重症患者看護専門看護師、救急看護認定看護師、集中ケア認定看護師が平日9:00~17:00に携帯することにし、RRS要請基準を作成し全職員に告示していった。さらにRRSを知ってもらうこと、看護師に何か変、何かいつもと違うなどの理解を促すために、2018年10月から週末緊急入院した患者のラウンドを毎週月曜日、ICU・救命病棟退室患者のラウンドを毎週金曜日、呼吸ケアラウンドを毎週水曜日に行った。各8~12名を1時間程度でラウンドを行った。ラウンド時は、病棟の看護師と一緒にケアを行ったり、話しかけたりして相談しやすい環境に配慮した。不安なことなどを相談されるときもあり、2018年10月~2019年5月のラウンドは941名実施し、RRS要請は22名あった。RRS要請は、発熱からのレベル低下や呼吸の気になることが多かった。また、RRSの理解を深めてもらうために、要請があった内容なども含めてランチョンセミナーとして9回開催し、79名の参加があり、その他循環、呼吸、急変時の対応のランチョンセミナーも15回開催し、66名の参加があった。

【課題】
RRSを知ってもらうためと気軽に相談してもらえるようにラウンドと研修会を行い、8か月で22名の要請につながったが、病棟それぞれのRRSに対して温度差を感じる。今後もRRSを認識してもらうためと看護師が急変の前兆に気づくことができるようにコミュニケーションをとり、ラウンドや研修会を行っていくことが大切である。そして院内急変に対しては、RRSとして何かできることはないかをその都度検討し、それを次に活かすことができるような働きかけをしていく必要があると考える。