第22回日本救急看護学会学術集会

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一般演題

救急外来看護

[O1] 一般演題1

[O1-12] 胸痛・頭痛・けいれん症状に対する救急外来看護師の自信の変化

○三宅 眞由美1、丸島 久美1 (1. 東京都立大塚病院)

Keywords:トリアージ

胸痛頭痛けいれん症状に対する救急外来看護師の自信の変化

―トリアージ研修の効果―



東京都立大塚病院 三宅眞由美 丸島久美



【目的】救急外来看護師(以下看護師)は、少ない情報から患者の病態を予測するアセスメント能力やトリアージに必要とされる臨床判断能力が必要である。その為看護師は豊富な知識や経験が求められる。A病院の看護師からは、トリアージをする上で判断に迷う事があり、適切にトリアージができているか自信がないとの意見が聞かれた。そのため本研究では、苦手意識が強かった胸痛・頭痛・けいれん症状について勉強会とシミュレーションを行い、看護師の自信がどのように変化するのかを明らかにすることを目的とする。

【方法】救急外来看護師13名を対象に、①医師による勉強会 (胸痛・頭痛・けいれん)を講義形式で各1回(講義に参加できなかったスタッフは録画したビデオを視聴)実施、②集中ケア認定看護師(以下認定看護師)による実際の症例を用いたシミュレーション(胸痛・頭痛・けいれん)を全員が1回は参加できるように複数回実施、③勉強会・シミュレーションの実施前後にアンケート調査し結果をt検定(P<0.05)で分析する。

【倫理的配慮】A病院倫理委員会にて承認を得て行った。

【結果】勉強会とシミュレーション実施後に胸痛トリアージ、けいれんトリアージの自信の肯定的回答には有意差があった。特に、胸痛トリアージに関しては、机上学習よりシミュレーションの方が自信に繋がったという回答が多かった。

【考察】胸痛・頭痛・けいれん症状を苦手とする背景には、患者が急変する可能性がありトリアージレベルの判定が難しく、またアセスメント力の不足から身体症状を見落とせば患者の生命に関わる可能性があるという救急看護の特徴がうかがえる。

渡邊1)は、「トリアージナースに必要な能力として重症度・緊急度の判定ができ治療の優先順位を決定できる能力、フィジカルアセスメント能力が必要」と述べている。認定看護師によるシミュレーションでフィジカルアセスメントの演習を行った事により、トリアージレベルを明確に区別していくためにとても重要であるという認識が自信をつける上で役立ったと考える。知識や技術を経験と合わせ定期的な勉強会・シミュレーションによりフィジカルアセスメント能力を向上させていく事でさらにトリアージに自信を持つ事ができると考える。また講義形式や講義ビデオの視聴などではなく、実際の演習による直接指導を受けたことも効果に影響を与えた要因になったと推測される。

【結論】トリアージ研修は机上学習よりシミュレーションの方が効果的であり、救急外来看護師のトリアージの自信に繋がることが示唆された。

引用文献

1)渡邊淑子、トリアージナースに必要とされる能力、Nursing Today、26(1)、P18~20 (2011)