第22回日本救急看護学会学術集会

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一般演題

チーム医療

[O12] 一般演題12

[O12-03] 語りの場“ねぎらいタイム”を導入したことによる認識の変化

○伊東 めぐみ1、山崎 朋子1 (1. 千葉市立青葉病院)

Keywords:職場風土、チームワーク、救急外来

【背景】
救急医療現場では刻々と変化する患者の状態をタイムリーに把握し、高度な技術と適切な看護ケアが求められる。しかし重症患者対応の場面では自分の行った看護が良い結果につながらないこともある。そこで、緊張やストレスを感じることの多い現場において、職場風土やチーム力の維持・向上を図るため、毎日日勤終業時に10分程設け、日勤看護師全員が集まり自分の頑張ったと思うことを語り合う時間“ねぎらいタイム”を平成29年度より導入した。今回、この取り組みを行うことによるスタッフの認識の変化について検討したので報告する。
【目的】
A病院救急外来における語りの場“ねぎらいタイム”を導入したことによるスタッフの認識の変化を明らかにする。
【方法】
対象:A病院救急外来看護師14名
期間:令和2年3月
方法:質問用紙調査を実施し、単純集計・分析を行った。
【倫理的配慮】
A病院看護部倫理委員会の承認を得た。対象者に書面で本研究の目的や個人情報保護等の説明を行い、研究参加は自由意思とした。データは匿名化を図り個人が特定されないよう配慮した。
【結果】
アンケート回収率は86%だった。“ねぎらいタイム”の取り組みについて、「同僚の良いところを見つけるようになった」非常にそう思う・そう思う75%、「同僚と話す機会となった」そう思う67%、「一日の体験を振り返る機会となった」非常にそう思う・そう思う92%だった。“ねぎらいタイム”中に感じたことは、「同僚看護師が褒めてくれていると感じた」非常にそう思う・そう思う75%、「プラスの空気感を感じた」非常にそう思う・そう思う83%、「同僚から頼りにされていると感じた」どちらとも思わない67%・そう思わない8%、「チームに貢献できていると感じた」どちらとも思わない42%・そう思わない17%だった。さらに、“ねぎらいタイム”導入前からA病院救急外来に所属している看護師にのみ問う項目では、「チームの雰囲気が良くなった」非常にそう思う・そう思う75%、「チームワークが良くなった」非常にそう思う・そう思う63%だった。
【考察】
語りの場“ねぎらいタイム”は同僚同士で褒め合え、プラスの空気感を感じられる場となった。一方で、同僚から頼りにされ、チームに貢献できているとまでは感じられない結果となり、今回の語りの場の限界であると考える。しかし、チームの雰囲気とチームワークは良くなったと感じているスタッフもおり、1日の体験を共有し、コミュニケーションの場となったことが良い影響を及ぼしたのだと考える。