第22回日本救急看護学会学術集会

講演情報

一般演題

家族看護

[O7] 一般演題7

[O7-05] 検視を受ける患者の家族ケア 現状報告

○杉浦 公有子1、石野 恵子1、立澤 宏真1 (1. 春日井市民病院)

キーワード:検視、家族看護、救急救命センター

倫理審査承認 演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある企業、組織及び団体等はありません。
【目的】A市民病院救急センターの検視を受ける患者の家族ケアの評価
【方法】記述的研究:2019.1.1~12.31までの看護記録より記述の有無を調査 アクションリサーチ3局面
【結果1】①2019年度救急搬送後死亡件数 198件のうち検視件数53件 ②対象件数N=49 検視理由 目撃なし死因不明65% 死因不明8% 自殺 23% 交通事故4% ③検視時間 平均2時間23分 ④家族の滞在時間 平均6時間15分
【結果2】①家族への家族担当の説明 記述有6% ②家族への家族対応の説明 記述有3% ③待機スペースの確保 記述有51% ④院内オリエンテーション 記述有2% ⑤検視官との連携 記述有4% ⑥勤務時の申し送り 記述有2% ⑦家族の情緒的支援 記述有75% ⑧家族の精神状態に応じた付き添い 記述有20% ⑨検視のIC時の同席、意思確認 23.5% ⑩検視開始からお見送りまでの流れについての説明 6%
【考察1】患者の部屋に担当看護師の表示により、医師や検察官との連携が円滑になり、業務がスムーズに行えるようになった。患者の搬送からお見送りまでの時間は6時間以上あり、家族の疲労や悲嘆をケアする必要がある。
【考察2】①②担当看護師であることの家族への説明し対応はしているが、記録に繋がっていないケースが多いのではないか。状況においては、家族担当の配置ができていないことも考えられる。③以前と比べて、個室や他の患者と離れてた場所の確保ができるようになった。勉強会による効果ではないか。④家族の長時間滞在時間を考慮すると、施設内のトイレ、コンビニ、自動販売機の場所、携帯使用可能なエリア、出入口の情報提供は不可欠であると考えられるが、不十分である。⑤患者の病室に看護師、医師、検察官を記名したプレートは掲示されているが、記録にないだけか。⑥勤務時間内にお見送りするケースは半数あり、勤務交代があっても申し送りはあるが記録に繋がっていない。⑦家族の状況を判断し、適時情緒的支援ができるようになった。家族によっては、感情表出しない家族も存在する。⑧家族の状況を判断し、必要があれば付き添うことができている ⑨医師からの説明時は状況をみて同席している ⑩検視官が看護師よりも先に検視についての説明をしていたり、事情聴取や現場検証に家族を連れて行ってしまうため説明ができなケースが多い。
【今後の課題】帰宅後の家族が正常な悲嘆作業を行う一助となるために、患者が亡くなってからお見送りまでの家族看護の重要性の理解と家族ケアの向上が課題である。所属部署の管理者の許可を得て実施しました。