[O9-01] ゴールベースシナリオ(GBS)理論を用いたMET看護師のソーシャルスキルの変化に関する研究
Keywords:Medical Emergency Team、Goal Based scenario、Social Skill
【背景】
院内迅速対応システムは、入院患者に発生する重篤有害事象を減少させることを目的とした医療安全管理システムであり、そのシステムの中で機能するチームとして、集中治療のトレーニングを受けた医師と看護師を中心とした「Medical Emergency Team:MET」が存在する。METは、他部署での医療活動がベースにあり、一元的な医学的知識の活用などだけではシステムが機能しないという背景があり、課題を解決するために必要な思考力や協働が必須となる。そこで、今回、MET看護師のソーシャルスキルに注目し、課題解決能力を養うために「ゴールベースシナリオ:GBS理論」に注目した。
【目的】
MET看護師教育におけるGBS理論を用いた効果的なシミュレーション教育の在り方を明らかにすること、ルーブリックによりMET看護師に求められるソーシャルスキル獲得を真正評価するための適切な手続きを明らかにすること。また、MET看護師に対するシミュレーション研修を通し、効果的なファシリテーションを明らかにすること。
【研究の方法】
図参照
【倫理的配慮】
研究協力は自由意思によって決定できること、断ることで不利益が生じることは一切ないこと、また、一度同意した後でも、不利益を受けることなく同意を撤回できることについて、対象となる全ての方に説明を行った。本研究はA病院倫理委員会承認済(受付番号:1184)である。
【結果】
GBSを意識せず開発された教材におけるシミュレーション教育(X教材)、GBSに基づき開発された教材におけるシミュレーション教育(Y教材)を実施したところ、GBSに基づき開発されたY教材は、85.1%のGBS理論適応度であった一方、X教材は35.0%の適応度であった。
ソーシャルスキルルーブリック評価表は、「コミュニケーション」「状況モニタリング」「相互支援」の項目において、Y教材はX教材に比べ点数は上昇していたが統計学的に有意ではなかった。総得点の比較においては、X教材6点、Y教材11点であり、点数の差は生じていたが統計学的に有意ではなかった (p=0.22)。
また、本研究の共起ネットワークに基づくと、効果的なファシリテーションとは、チームにおける役割を明確にし、参加者主導で進行できるよう場を整えることであった。
【結語】
本研究の結果からは、GBS理論に準じた教材の効果、ソーシャルスキルの真正評価、効果的なファシリテーション技法についての示唆が得られた。
院内迅速対応システムは、入院患者に発生する重篤有害事象を減少させることを目的とした医療安全管理システムであり、そのシステムの中で機能するチームとして、集中治療のトレーニングを受けた医師と看護師を中心とした「Medical Emergency Team:MET」が存在する。METは、他部署での医療活動がベースにあり、一元的な医学的知識の活用などだけではシステムが機能しないという背景があり、課題を解決するために必要な思考力や協働が必須となる。そこで、今回、MET看護師のソーシャルスキルに注目し、課題解決能力を養うために「ゴールベースシナリオ:GBS理論」に注目した。
【目的】
MET看護師教育におけるGBS理論を用いた効果的なシミュレーション教育の在り方を明らかにすること、ルーブリックによりMET看護師に求められるソーシャルスキル獲得を真正評価するための適切な手続きを明らかにすること。また、MET看護師に対するシミュレーション研修を通し、効果的なファシリテーションを明らかにすること。
【研究の方法】
図参照
【倫理的配慮】
研究協力は自由意思によって決定できること、断ることで不利益が生じることは一切ないこと、また、一度同意した後でも、不利益を受けることなく同意を撤回できることについて、対象となる全ての方に説明を行った。本研究はA病院倫理委員会承認済(受付番号:1184)である。
【結果】
GBSを意識せず開発された教材におけるシミュレーション教育(X教材)、GBSに基づき開発された教材におけるシミュレーション教育(Y教材)を実施したところ、GBSに基づき開発されたY教材は、85.1%のGBS理論適応度であった一方、X教材は35.0%の適応度であった。
ソーシャルスキルルーブリック評価表は、「コミュニケーション」「状況モニタリング」「相互支援」の項目において、Y教材はX教材に比べ点数は上昇していたが統計学的に有意ではなかった。総得点の比較においては、X教材6点、Y教材11点であり、点数の差は生じていたが統計学的に有意ではなかった (p=0.22)。
また、本研究の共起ネットワークに基づくと、効果的なファシリテーションとは、チームにおける役割を明確にし、参加者主導で進行できるよう場を整えることであった。
【結語】
本研究の結果からは、GBS理論に準じた教材の効果、ソーシャルスキルの真正評価、効果的なファシリテーション技法についての示唆が得られた。