第22回日本救急看護学会学術集会

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パネルディスカッション

[PD3] パネルディスカッション3

『119番の危機』

座長 中谷 茂子(医療法人マックシール巽病院 看護部 副院長)
   本田 可奈子(滋賀県立大学人間看護学部 基礎看護学講座 教授)

[PD3-01] 医療従事者として救急搬送患者となった経験からの学び

○稲村 あづさ1 (1. 公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 看護師長)

Keywords:救急搬送、適正な救急利用、患者教育

医療従事者として勤務しているが、自身の傷病として2度、傷病者の付き添い者として1度、救急利用した経験がある。どれも、軽症であったが周囲の人の親切心より救急搬送依頼をされてしまい利用せざるを得なかったものばかりであった。軽症であったが、救急搬送依頼をされた方と傷病者へ病院到着までに救急救命士によって問診が行われ、応急処置から救命処置が実施される。傷病者は救急救命士のアセスメントに基づいて搬送病院の選択がされ、病院へと搬送される。医療提供は119番通報をされたところから始まる。救急隊が行う問診と全身の観察・フィジカルアセスメントは患者にとって、最初のトリアージとなり搬送先選択にも関わる。救急救命士が行う短時間で限られた環境下でのフィジカルアセスメントやトリアージは的確な判断が必要で重要であること、さらにコミュニケーション能力が高いことを身に染みて感じることができた。
 日々、自施設で救急外来として関る患者のうち、30%が救急車を利用している。10数年前より病院のコンビニ受診や、救急車をタクシー代わりとして利用するという現状があると言われ続けている。コンビニ受診やタクシー代わりの患者数が増えることで、医療のマンパワー不足が生じ、その結果、緊急度の高い患者や重症患者の受け入れが困難な状況を作り出してしまうこともある。以上のことを踏まえ、私たちは多くの患者教育や市民に応急処置や予防医学を普及させる取り組みが必要である。そのためには消防救急隊員と連携を図り、適正な救急利用の情報発信を強化していく必要があると考える。