[SY2-03] 都市部のホームレスの健康問題と支援する医療体制
Keywords:ホームレス、生活保護、医療扶助、炊き出し
【目的】
2002年に制定された「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」などにより、路上生活をしている人は減少しているが、まだ多くの人がホームレス生活を余儀なくされ、心身の健康維持が難しい生活環境に置かれている。ホームレスの方々に対する医療相談の内容および検診結果と彼らを支える支援体制について報告する。
【活動】
名古屋市において、「炊き出し」や路上生活者のためのデイケアセンター・中間施設運営などの野宿者を中心とした生活困窮者支援を行っているNPOささしま共生会は、平成23年8月より、月1回、健康検診および健康・生活相談を行っている。健康診査は内科および歯科で、治療が必要と判断した場合は当事者と相談の上、本人が受診を拒否されない場合には紹介状を作成し、生活保護の一部である医療扶助が受けられるようにしている。さらに、その後の受療状況を来所時や、週2回の巡回相談時に確認し、早期受診に結びつくように努力している。炊き出し現場の一部を利用し、医療生活相談を行いボランティア医師による無料診療を行っており、その体制について報告する。
【方法】
かつて3大寄場の一つであった笹島を含む、名古屋での日雇い労働者・野宿者の支援から始まった笹島診療所の活動を紹介する。さらに、名古屋にあるもう一つの野宿者支援NPO法人ささしま共生会で行われる、健康診断の結果と笹島診療所との連携を報告する。笹島診療所は1985年日雇い労働者を支援する市民団体として設立され、平成23年10月にNPO法人ささしまサポートセンターとして生まれ変わった。初めは地下鉄のホームの片隅で医師による医療相談とケースワーカーによる生活相談であった。それから20数年が立ち、バブルの崩壊~リーマンショックにより野宿生活者の数は一時400名近くとなった。ささしま共生会が行う毎週木曜日の炊き出しの時、その一角で医療生活相談を実施している。ここで行われる炊き出しの配食数は200食から350食であり、週によって、季節によって増減がある。医療相談にかかる患者数は、その約5%の5から10名程度である。ここでは、週ごとで担当を決めて医師と歯科医師が無料で診療を行い、必要に応じて薬の処方も行っている。慢性疾患で治療が必要であれば、紹介状を書いて通院治療を促している。笹島サポートセンターの活動は、診療だけでなく福祉事務所へ同行し医療・生活保護を適切に受けられるように支援している。ささしま共生会は炊き出しを行う一方で、平成22年からは月に一度の野宿生活者を対象とした健康相談会を開始した。そこの担当医としてかかわり、未治療の高血圧症、糖尿病などの慢性疾患の早期発見・早期治療に寄与している。また、必要であれば自身の所属するささしまサポートセンターの笹島診療所への受診を勧め、治療を行っている。都市名古屋におけるホームレスを支える医療体制について報告する。
2002年に制定された「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」などにより、路上生活をしている人は減少しているが、まだ多くの人がホームレス生活を余儀なくされ、心身の健康維持が難しい生活環境に置かれている。ホームレスの方々に対する医療相談の内容および検診結果と彼らを支える支援体制について報告する。
【活動】
名古屋市において、「炊き出し」や路上生活者のためのデイケアセンター・中間施設運営などの野宿者を中心とした生活困窮者支援を行っているNPOささしま共生会は、平成23年8月より、月1回、健康検診および健康・生活相談を行っている。健康診査は内科および歯科で、治療が必要と判断した場合は当事者と相談の上、本人が受診を拒否されない場合には紹介状を作成し、生活保護の一部である医療扶助が受けられるようにしている。さらに、その後の受療状況を来所時や、週2回の巡回相談時に確認し、早期受診に結びつくように努力している。炊き出し現場の一部を利用し、医療生活相談を行いボランティア医師による無料診療を行っており、その体制について報告する。
【方法】
かつて3大寄場の一つであった笹島を含む、名古屋での日雇い労働者・野宿者の支援から始まった笹島診療所の活動を紹介する。さらに、名古屋にあるもう一つの野宿者支援NPO法人ささしま共生会で行われる、健康診断の結果と笹島診療所との連携を報告する。笹島診療所は1985年日雇い労働者を支援する市民団体として設立され、平成23年10月にNPO法人ささしまサポートセンターとして生まれ変わった。初めは地下鉄のホームの片隅で医師による医療相談とケースワーカーによる生活相談であった。それから20数年が立ち、バブルの崩壊~リーマンショックにより野宿生活者の数は一時400名近くとなった。ささしま共生会が行う毎週木曜日の炊き出しの時、その一角で医療生活相談を実施している。ここで行われる炊き出しの配食数は200食から350食であり、週によって、季節によって増減がある。医療相談にかかる患者数は、その約5%の5から10名程度である。ここでは、週ごとで担当を決めて医師と歯科医師が無料で診療を行い、必要に応じて薬の処方も行っている。慢性疾患で治療が必要であれば、紹介状を書いて通院治療を促している。笹島サポートセンターの活動は、診療だけでなく福祉事務所へ同行し医療・生活保護を適切に受けられるように支援している。ささしま共生会は炊き出しを行う一方で、平成22年からは月に一度の野宿生活者を対象とした健康相談会を開始した。そこの担当医としてかかわり、未治療の高血圧症、糖尿病などの慢性疾患の早期発見・早期治療に寄与している。また、必要であれば自身の所属するささしまサポートセンターの笹島診療所への受診を勧め、治療を行っている。都市名古屋におけるホームレスを支える医療体制について報告する。