[OD701-06] 救急外来における外傷初期看護の統一化に向けた取り組み
Keywords:救急外来、外傷、教育
【はじめに】A病院は、年間約3,000件前後の救急搬送を受け入れている二次医療機関である。2016年~2020年の統計では、外傷患者の搬送は年間約600件と全体の2割程度で、そのうちロード&ゴー症例は年間40~50件程度となっている。現在A病院の救急外来に勤務する看護師は24名で、新人看護師から救急業務未経験の看護師も配置され、救急業務の経験年数は平均約3.3年である。救急業務の経験が浅い看護師が多く、救急看護における知識や技術が十分でないことが問題としてあげられた。また、救急搬送の統計から内因性疾患の患者と比較し外傷患者の搬送件数が少ないため、特に外傷患者の対応の未熟さが課題であった。これらの現状から、外傷患者の受け入れ準備からプライマリーサーベイ(以下PS)までの知識・技術の習得に向けた介入を行った結果を報告する。
【方法】期間:2020年6月~2021年6月 対象:A病院の救急外来所属看護師17名 方法:1、外傷初期看護ガイドラインの内容に沿って作成した筆記テストを実施。2、外傷初期看護ガイドラインを参考にしたPSシミュレーションを実施。3、外傷初期看護についての学習資料を配布し勉強会を実施。4、筆記テスト、PSシミュレーションの再評価を実施し知識・技術取得率を点数化して評価した。
【倫理的配慮】A病院の倫理審査委員会の承認を受け実施した。また、個人が特定できないよう配慮した。
【結果】作成した外傷初期看護ガイドラインの内容に沿った筆記テストでは、記述式、記号選択式の問題を30点満点で採点を実施。勉強会前の平均点24.7点から勉強会後は28.6点と上昇した。PSシミュレーションでは、「ホットライン対応」「受け入れ準備」「第一印象~処置室移動」「A:気道」「B:呼吸」「C:循環」「D:意識」「E:体温と保温」の大項目に加え、小項目に院内の取り決め事項等の内容を追加し作成し「達成できた」「達成できなかった」の項目で評価した。結果として、全体として「達成できた」の評価が73%から90%へ上昇した。項目としては、小項目の「プライバシーの配慮ができる」を除く全ての項目で評価が上昇した。勉強会前、特に評価の低かった「B:呼吸」の小項目「打診」については「達成できた」の評価が6%から94%へ上昇した。「第一印象~処置室移動」の小項目「プライバシーの配慮ができる」については、勉強会前後ともに「達成できた」が12%と変化がなかった。
【考察】今回、体系化された外傷初期看護ガイドラインの内容に沿い、外傷患者の受け入れ準備からPSまでの知識と技術を習得することを目的として介入を行った。筆記テストとPSシミュレーションの勉強会前後の評価の結果から、救急業務の経験年数が浅いスタッフも、受け入れ準備からPSまでを実際に評価しながら行ったことで、外傷患者の受け入れ準備や観察方法のイメージができ、勉強会で学習資料の配布と説明を行うことで更に外傷の知識を深められたと考える。PSシミュレーションで評価が上昇しなかった「プライバシーの配慮」については、シミュレーション用の人形で行ったことが原因のひとつと考えられるが、カーテンのみで仕切られた初療室において、実際にプライバシーの配慮が行われているか評価をしていく必要がある。対象者からは「復習になって良かった」「わかっていなかった部分が沢山あった。」といった意見が聞かれた。その為、継続した勉強会の開催が必要であると考える。今後、勉強会の内容の見直し、PS以外の外傷初期看護ガイドラインの内容の勉強会の開催、教育できる側の人材育成が必要である。
【方法】期間:2020年6月~2021年6月 対象:A病院の救急外来所属看護師17名 方法:1、外傷初期看護ガイドラインの内容に沿って作成した筆記テストを実施。2、外傷初期看護ガイドラインを参考にしたPSシミュレーションを実施。3、外傷初期看護についての学習資料を配布し勉強会を実施。4、筆記テスト、PSシミュレーションの再評価を実施し知識・技術取得率を点数化して評価した。
【倫理的配慮】A病院の倫理審査委員会の承認を受け実施した。また、個人が特定できないよう配慮した。
【結果】作成した外傷初期看護ガイドラインの内容に沿った筆記テストでは、記述式、記号選択式の問題を30点満点で採点を実施。勉強会前の平均点24.7点から勉強会後は28.6点と上昇した。PSシミュレーションでは、「ホットライン対応」「受け入れ準備」「第一印象~処置室移動」「A:気道」「B:呼吸」「C:循環」「D:意識」「E:体温と保温」の大項目に加え、小項目に院内の取り決め事項等の内容を追加し作成し「達成できた」「達成できなかった」の項目で評価した。結果として、全体として「達成できた」の評価が73%から90%へ上昇した。項目としては、小項目の「プライバシーの配慮ができる」を除く全ての項目で評価が上昇した。勉強会前、特に評価の低かった「B:呼吸」の小項目「打診」については「達成できた」の評価が6%から94%へ上昇した。「第一印象~処置室移動」の小項目「プライバシーの配慮ができる」については、勉強会前後ともに「達成できた」が12%と変化がなかった。
【考察】今回、体系化された外傷初期看護ガイドラインの内容に沿い、外傷患者の受け入れ準備からPSまでの知識と技術を習得することを目的として介入を行った。筆記テストとPSシミュレーションの勉強会前後の評価の結果から、救急業務の経験年数が浅いスタッフも、受け入れ準備からPSまでを実際に評価しながら行ったことで、外傷患者の受け入れ準備や観察方法のイメージができ、勉強会で学習資料の配布と説明を行うことで更に外傷の知識を深められたと考える。PSシミュレーションで評価が上昇しなかった「プライバシーの配慮」については、シミュレーション用の人形で行ったことが原因のひとつと考えられるが、カーテンのみで仕切られた初療室において、実際にプライバシーの配慮が行われているか評価をしていく必要がある。対象者からは「復習になって良かった」「わかっていなかった部分が沢山あった。」といった意見が聞かれた。その為、継続した勉強会の開催が必要であると考える。今後、勉強会の内容の見直し、PS以外の外傷初期看護ガイドラインの内容の勉強会の開催、教育できる側の人材育成が必要である。