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[M9] 臨床推論力を高め、行動変容を促す研修の工夫
2024年11月19日(火) 13:10 〜 14:30 第6会場 (6F 610会議室)
座長:石川 幸司 (北海道科学大学)
中野 英代 (佐賀大学医学部附属病院 看護部)
臨床推論力を高め、行動変容を促す研修の工夫
近年、効果的・効率的・魅力的な学習設計を行うためにインストラクショナルデザインが浸透し、ADDIEモデルを使って指導計画を立案した上で研修を行う、また、魅力性の高い学習設計を行うとしてARCSモデルを活用した研修設計が多くの施設で取り入れられるようになってきました。シミュレーション学習や、実際の臨床ケースを基にしたディスカッション形式の学習など、各施設で独自の工夫を取り入れ、これまで単に知識を伝えるだけで終わっていた研修から、受講者自身が積極的に参加し、自らの思考過程を振り返るといった教授アプローチの変化が見られるようになってきました。研修を設計する上で「学習ゴール」と「評価方法」を設計することは重要です。カークパトリック4段階評価モデルには、「レベル1:反応(研修の満足度など)」「レベル2:学習(学習ゴールの達成)」「レベル3:行動(行動変容)」「レベル4:結果(組織への貢献)」といった評価のレベルを示しています。レベル2を前提に研修設計を行う必要があり、レベル3のゴール達成は患者への貢献につながっていきます。しかし、行動変容につながる設計をするためには、OJTとの連携、また、研修時間の確保、効率性の高い研修をするにしても限界があり、いまだ多くの施設で課題となっているのではないでしょうか。
本交流集会では、「臨床推論力を高め、行動変容を促す研修の工夫」をテーマに、4名の演者がそれぞれの施設で実践している取り組みを紹介し、実践的な知見を深めていきます。臨床推論は、観察、データの収集、仮説の形成、検証、判断という一連のプロセスを通じて行われますが、救急看護においては、刻々と変化する状況に対応し、迅速かつ適切な判断が求められます。そのため、救急看護師が高い臨床推論力を身につけることは、患者の生命を守るために必要な能力と言えます。しかし、その能力の育成には多くの時間と労力が必要であり、効果的かつ効率的な研修設計が必須となります。
4名の演者からは、それぞれの施設で行われている研修の具体的な方法や成果、課題について発表が行われます。各施設の取り組みには共通点もあれば、施設独自の工夫も見られ、これらの発表を通じて、多角的な視点からのアプローチについても紹介します。特に、「臨床推論」の研修について、どのような方法で評価し、また、どのような教授法を使用するのか、行動変容を効果的に引き出すための工夫はどのような工夫があるのか、他施設でも応用可能な実践例について紹介いたします。
演者からの発表後には、参加者の皆様とのディスカッションを通じて、各施設の取り組みを他の施設にどのように応用できるか、さらに改善すべき点は何かを議論します。交流集会に参加することで、ご自身の施設での研修に新たな視点を持ち帰ることができるようなセッションにしていきます。
本交流集会が、救急看護の現場で実際に役立つ臨床推論力の向上と行動変容を促すための研修の質を高め、看護師の能力向上に寄与する一助となることを願いつつ、多くの参加者に集まっていただけることを期待します。
演者 増山純二 令和健康科学大学
演者 嶋岡征宏 山口大学医学部附属病院
演者 西尾宗高 杏林大学医学部付属病院
演者 関山裕一 前橋赤十字病院
セミナー委員会委員
市村健二、石井恵利佳、石川幸司、関山裕一、田戸朝美、中野英代、西尾宗高
吉次育子、増山純二