第26回日本救急看護学会学術集会

大会長挨拶

第26回日本救急看護学会学術集会の開催にあたって

 

メインテーマ:救急看護の進化とトランスフォーメーション

 

大会長 佐藤 憲明  (日本医科大学付属病院  看護部)

この度,第26回日本救急看護学会学術集会を2024年11月18日・19日の日程で,東京ビッグサイト国際展示場(東京都江東区有明)において開催させて頂くことになりました。栄えある本学会の学術集会を会員や関係者の皆様のご支援のもとで開催する機会を頂きましたことに心より感謝申し上げます。

本学会は,国民の健康と医療福祉に寄与するため,救急看護の進捗と発展をめざし,そして救急医療の普及を図ることを目的に設立され今年で四半世紀が経ちました。これまで,社会の変化とともに救急医療体制も見直され,当学会でも多くの制度改革に寄与してまいりました。しかし,昨今の社会事情は,少子高齢化問題に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大を経て,国民が求める医療のニーズは確実に変化しています。そして2024年より適応される医師の働き方改革の新制度では、救急医療提供体制の再編も余儀なくされます。日本の救急医療が目指した「たらい回しのない救急医療」,そして「安心・安全の救急医療」「高度先端医療を駆使した救命率の維持と普及」を担保することは,国民からも一層に期待されています。
そこで,第26回学術集会のメインテーマを「救急看護の進化とトランスフォーメーション」としました。トランスフォーメーションとは,「変化・変革・変容」を表します。本学会は,これまで長い歴史のなかで社会の変化に対応し,医療機器や医療技術の発展とともに看護実践の成果も明らかにしてきました。しかし,他分野におけるインフラストラクチャーの進化は目覚ましいものがあります。経済産業省が2018年に公開したレポートでは、「2025年の崖」と称し,DX推進ガイドラインを公開しました。社会に向け課題を提起したことで多くの分野がITやデジタル化を駆使し,環境や業務効率を変革させ,さらなる品質管理を目指しています。これは,我々医療界・看護界でも直近の課題であり,すぐに取り掛からなければなりません。先ずは社会の変化を正確に捉え,新しい環境やシステムを構築するためのソリューション,そして救急医療を担う人材育成が必要です。
本学術集会では,間近に迫る救急医療の問題点を社会全体から捉え,救急看護のトランスフォーメーションについて学術集会の場で討論したいと思います。
参加者の皆様にとりまして,実り多い2日間となりますよう最善を尽くし準備をしています。2年ぶりとなる東京で多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。