一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

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R2: 結晶構造・結晶化学・物性・結晶成長・応用鉱物

2019年9月20日(金) 09:30 〜 17:00 A-プレゼンスペース (イースト1号館)

09:30 〜 17:00

[R2P-07] 斜長石中の針状磁鉄鉱離溶相の鉱物学的研究

「発表賞エントリー」

*菅谷 崚1、佐藤 雅彦1、小暮 敏博1 (1. 東大・院理)

キーワード:磁鉄鉱離溶、斜長石、古地磁気学、黒雲母

近年古地磁気学分野で,斜長石中に離溶した針状の磁鉄鉱が有用な残留磁化担体になるのではないかと注目され,それを用いた古地磁気測定が行われている.信頼度の高い古地磁気記録を得るためには磁性鉱物の生成温度など形成条件の情報が必要であるが,この針状磁鉄鉱に関しては未解明な部分が多い.本研究では主に電子顕微鏡を用いミネソタ州のダルースコンプレックスの斜長岩中の針状離溶磁鉄鉱の詳細な鉱物学的解析を行った.
 SEM,TEMの解析を通して,針状離溶組織は内部でイルメナイトのラメラによりさらに小さい磁鉄鉱に細分化されており,またこの針状結晶に沿って常にカリ長石と黒雲母が共存することが明らかになった.黒雲母は(001)面が磁鉄鉱の{111}面と平行になるように結晶学的関係を持って存在しており,磁鉄鉱とカリ長石の反応生成物であると考えられ,この反応の温度を求めることで磁鉄鉱の生成温度の下限を決めることができる可能性がある.