R3: 高圧科学・地球深部

[R3P-11] 下部マントルに沈み込んだスラブ内レオロジー

*東 真太郎^1,2、野村 龍一^3,4、上杉 健太朗⁵、西原 遊⁴、土居 峻太⁴、有本 岳史⁴、入舩 徹男⁴ (1. 東工大・院理、2. 九州大、3. 京都大、4. 愛媛大、5. JASRI/SPring-8)

キーワード：回転式ダイヤモンドアンビル装置、ブリッジマナイト 、フェロペリクレース、下部マントル、レオロジー

下部マントルに沈み込んだスラブの振る舞いを理解することは、地球史を通して地球内部全体の物質循環とその進化を明らかにするために必要不可欠である。本研究では、これまで変形実験装置の圧力範囲として未踏の領域であった下部マントル深部に至るスラブの動的物性（レオロジー）を明らかにするために、回転式ダイヤモンドアンビル装置の開発を行い、ブリッジマナイト((Mg,Fe)SiO₃)とフェロペリクレース((Mg,Fe)O)の2相系のサンプルを用いた変形実験(26–130 GPa, 300–1073 K)を行った。この変形実験はSPring-8(BL47XU)で行われ、XRDによる応力測定も行われた。回収された微細組織を観察すると、ブリッジマナイトの粒子はほぼ変形せず、フェロペリクレースが連結する様子が観察された。応力についてはフェロペリクレースは変形中ほぼ一定であるのに対し、ブリッジマナイトには歪弱化が観察された。