一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

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R8: 変成岩とテクトニクス

2019年9月20日(金) 09:30 〜 17:00 A-プレゼンスペース (イースト1号館)

09:30 〜 17:00

[R8P-14] 福岡県篠栗地域に露出するアンチゴライト蛇紋岩の変形特性

*岩﨑 夕季1、安東 淳一1、Kaushik Das1、Sarkar Dyuti1、上原 誠一郎2、大藤 弘明3 (1. 広島大・院理、2. 九州大、3. 愛媛大)

キーワード:アンチゴライト、塑性変形、微細組織

アンチゴライト(Atg)蛇紋岩の変形特性は、上部マントルや下部地殻を構成する岩石の上昇過程に大きな影響を与えている。本研究では福岡県篠栗地域の粗粒Atg蛇紋岩分布域におけるマイロナイト帯とその周辺域に露出するAtg蛇紋岩について、その変形特性と形成条件の解明を目的とした偏光顕微鏡とSEMを用いた微細組織観察を行った。試料は微細組織により、1)粗粒Atg蛇紋岩、2)粗粒-細粒Atg蛇紋岩、3)マイロナイトAtg蛇紋岩の3タイプに分類できた。3)のAtgは、約10 umの針状Atgの[010]が線構造に平行に、(001)面が面構造にほぼ平行に発達することで定向配列が形成されている。これらの観察結果は波動消光を生じるAtg結晶中の欠陥の形成と、その後の細粒化と定向配列の形成によってAtg蛇紋岩の変形が進行することを示唆している。