一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

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R8: 変成岩とテクトニクス

2019年9月20日(金) 09:30 〜 17:00 A-プレゼンスペース (イースト1号館)

09:30 〜 17:00

[R8P-15] 長野県大鹿村地域の中央構造線に分布する低温型マイロナイトとphylloniteの形成ステージの制約

*中村 佳博1 (1. 産総研)

キーワード:鹿塩マイロナイト、領家変成岩、三波川変成岩、U-Pb年代

長野県大鹿村地域に分布するマイロナイト中には,石英長石質なウルトラマイロナイトと黒色で雲母からなるphylloniteが中央構造線近傍に分布している. これらのマイロナイトの形成環境と源岩を推定するために,詳細なマイロナイトの解析と三波川変成岩・領家変成岩のU-Pb年代測定を実施した.分析の結果, 上盤側で69.0 ± 0.6 Ma (n=10)の源岩固結年代をえることができた.一方で下盤側の三波川変成岩の最も若い粒子と最も若いクラスター年代は,それぞれ70.7 ± 1.5 Maと71.2 ± 0.91 Ma(n=4)となった.源岩の固結年代をもとに冷却カーブからマイロナイト化年代を推定すると65Maと67Maのマイロナイト化年代を得ることができた.この年代はphylloniteと三波川変成岩の白雲母K-Ar年代によく一致している.つまりマイロナイト化した領家変成帯と三波川変成帯は63-65Maの期間に中央構造線にそって接合し,同じ変形・変成作用を被っていたことを示唆している.