一般社団法人日本鉱物科学会2021年年会・総会

講演情報

口頭講演

R1:鉱物記載・分析評価(宝石学会(日本) との共通 セッション)

2021年9月17日(金) 14:00 〜 16:45 Zoom Session 2

座長:黒澤 正紀(筑波大学)、門馬 綱一(国立科学博物館)、坂野 靖行(産総研)

15:15 〜 15:30

[R1-06] 岡山県津山地域加治子山に産するベイサナイト中のCaに富むネフェリン及び共生鉱物の産状と成因

「発表賞エントリー」

*米岡 佳弥1、濵田 麻希1、荒井 章司1 (1. 金沢大・院自)

キーワード:ネフェリン、ベイサナイト、アパタイト、カルシウム質

準長石族鉱物に属するネフェリンの理想化学式はK2Na6Al8Si8O32 (Z = 1)で表され、一般にCaは含まれないが、本研究では岡山県津山地域加治子山ベイサナイトからCaを最大0.467 apfu (CaO, 2.31 wt.%)含むネフェリンを発見した。加治子山ベイサナイトに含まれる斑晶はカンラン石と単斜輝石であり、石基はネフェリン、カンラン石、単斜輝石、スピネル、斜長石、アルカリ長石、アパタイト及び沸石で構成される。産状からアパタイトはネフェリン晶出前に結晶化しており、加えて全岩化学組成のP含有量とネフェリンのCaに負の相関が見られた。従って、低Pのベイサナイト質マグマではアパタイトの晶出量が少なくなり、メルト中のCa量が高くなることでCaに富むネフェリンが形成する可能性が考えられる。