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[R2-11] 非晶質炭酸カルシウムを経由したカルサイト格子中へのL-アスパラギン酸の取り込み
キーワード:カルサイト、ファーテライト、アミノ酸、アスパラギン酸
高濃度のL-アスパラギン酸(Asp)を含む非晶質炭酸カルシウム (ACC) を経由したカルサイトの合成を試み、得られたカルサイトの構造変化について報告する。粉末X線回折パターンでは、母液中のAsp濃度が増加するにつれて、カルサイトとファーテライトのピークのブロードニングと高角側へのシフトが見られた。この結果はカルサイトとファーテライトの構造中にAspが取り込まれることで、構造が歪んだためと考えられる。また、Asp濃度が増加するにつれて、カルサイトの格子体積が減少することがわかった。先行研究では、カルサイト格子中へのAspの取り込みにより格子体積が増加することが報告されている。よって、本研究で得られたACCを経由して結晶化したAspを含むカルサイトは先行研究で報告されたカルサイトとは結晶内でのAspの配置が異なる可能性が示唆される。