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[R2-12] 「けい酸加里」肥料の鉱物学的特徴と土壌中における溶解プロセス
キーワード:ケイ酸質カリ質肥料、カリオフィライト、オケルマナイト、溶出
「けい酸加里」は,石炭火力発電の副産物として生じるフライアッシュ(石炭灰)にカリウム分などを添加して高温焼成することによって得られるカリ質鉱物肥料で,主に水稲用肥料として広く利用されている.我が国で40年に渡り製造,利用されてきた鉱物肥料であるが,その詳細な鉱物学的特徴と土壌中での化学成分の溶出過程は未知のままとなっていた.そこで,本研究では鉱物学的手法と知見に基づき,「けい酸加里」の鉱物学的特徴と土壌中における同肥料からの元素溶出過程について調べた.その結果,「けい酸加里」は,主にカリオフィライト(KAlSiO4)とオケルマナイト(Ca2MgSi2O7)より構成され,顆粒状~不定形塊状をなす前者の隙間を後者が充填する組織を示すことが分かった.土壌中における「けい酸加里」からの化学成分の溶出は,カリオフィライト粒子の間隙を埋めるオケルマナイトから始まり(Ca, Mg, Si),カリオフィライトからのK,Al,Siの溶出は比較的穏やかで長期に渡って継続すると推測される.