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[R3-04] Mg2SiO4 ワズレアイトのエンタルピーの再決定
キーワード:ワズレアイト、エンタルピー、落下溶解熱測定、熱力学、高圧合成
これまでに実験的に決定されたMg2SiO4ワズレアイトのエンタルピーの測定誤差が大きいために、Mg2SiO4ワズレアイトに関連した熱力学計算から求められる相平衡境界線の不確実さが大きくなってしまうという問題があった。本研究では、Mg2SiO4フォルステライト単結晶を出発物質として、熱量測定用の純粋なMg2SiO4ワズレアイト試料を高圧合成した。粉末状にした高圧回収試料を圧し固めてペレットにし、それを熱量計の外(室温)から978 Kに保たれたカルベ―型高温熱量計の内部にあるホウ酸鉛溶媒に落下させ、そのときの落下溶解エンタルピーを精度よく再測定した。7個のデータの平均から、落下溶解エンタルピーは141.38±1.13 kJ/molと決定された。この結果は、Mg2SiO4ワズレアイトが従来考えられていたよりも格子エネルギー的にわずかであるが不安定であることを示しており、熱力学的に計算されるMg2SiO4ワズレアイトの温度-圧力安定領域は狭くなると予想される。