一般社団法人日本鉱物科学会2021年年会・総会

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R3:高圧科学・地球深部

2021年9月16日(木) 09:30 〜 18:30 ePoster Session

09:30 〜 18:30

[R3P-07] 下部マントル最上部におけるマグマ中の含水量の 温度・圧力依存性の解明

*奥村 晃太1、井上 徹1、柿澤 翔1、野⽥ 昌道1、川添 貴章1、佐藤 友⼦1、新名 亨2、⼊舩 徹男2 (1. 広島大・院先進理工、2. 愛媛大・GRC)

キーワード:マグマ中の含水量、相図、下部マントル最上部


深さ660 kmにおいて低地震波速度領域の存在が明らかにされており(Schmandt et al. 2014)、高圧含水鉱物の脱水溶融の可能性が指摘されている。本研究では下部マントル最上部条件下で生成されるマグマ中の含水量を実験的に明らかにした。高温高圧実験は愛媛大学及び広島大学設置の川井型高圧発生装置を使用して行った。下部マントル最上部条件を再現するため圧力は25 GPaに固定、温度は1200~ 1700°Cの範囲で実験を行った。実験結果から、マスバランス計算により溶融度及びマグマ中の含水量を算出し、リキダスラインを定めた。このリキダスラインから、下部マントル最上部の温度を 1650°Cとすると、マグマ中の含水量は約 23 wt%と推定することができる。 Sakamaki(2017)ではマグマの密度の立場から、この領域で重力的に 安定であるためには含水量が 8 wt%以下であるべきと報告している。したがってこの領域で含水マグマが重力的に安定に存在することは困難であると考えられる。