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[R4-03] 環境中における放射性セシウムの鉱物への吸着特性に係る研究 -角閃石、長石への吸着-
キーワード:鉱物、放射性セシウム、河川水系
福島第一原子力発電所の事故により環境中に放出された放射性セシウムは、湖や河川の堆積物中に沈着し、台風等の増水時に移動する2次的な汚染プロセスが懸念されている。河床堆積物中の鉱物の放射性セシウムの吸着特性を明らかにすることは、動態予測の観点で重要である。本研究では、有色鉱物および無色鉱物のうち、特に角閃石と長石の結晶構造を把握することを目的として、SEMおよびTEM観察を行った。SEM観察より、角閃石、長石いずれの表面は、風化に伴う変質を確認した。また、TEM分析結果から、角閃石内部には、数µmサイズの劈開があり、その周辺にはより細かい劈開が発達していた。さらに、劈開周辺の構成元素組成比がホストと異なり、粘土鉱物化していることが明らかとなった。また、長石表面にはチューブ状のハロイサイトを確認した。これらの結果から、角閃石、長石の表面は、風化し、粘土鉱物に変質している可能性がある。また、劈開が角閃石、長石内部への放射性セシウムの移動を促進させるとともに、劈開付近の変質部が比表面積を増加させ、放射性セシウムの吸着媒体としての役割を果たす可能性が示唆された。