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[R4-06] 人工風化金雲母中の層間構造変化
キーワード:金雲母、風化雲母、層間構造、高分解能電子顕微鏡法
地球表層に広く産出する風化雲母構造中では、層間のKが部分的に溶出し代わりに水和した陽イオンを含む部分と、雲母構造を保ち層間にKを有する部分が混在する。同じ層間内でのこれらの遷移領域には「くさび型空間」が存在すると想定され、風化雲母がCs+を選択的に吸着・固定する機構と関係している。本研究では、金雲母を出発物質とし、層間のKとAlのイオン交換実験により人工風化雲母を調製し、その層間構造の解析を行なった。層間Kが完全にAlと交換された試料の積層構造は、層間に水和Alイオンを含むバーミキュライト型構造とAl水酸化物シートを含む緑泥石型構造の混合となっていることがわかった。さらに、バーミキュライト型層と緑泥石型層が同一層内で混在していることが、高分解能電子顕微鏡法(HRTEM)観察により明らかになった。この試料についてK飽和処理を行い、層間にKとAlが混在する試料を調製したところ、緑泥石型構造層間のAl水酸化物層はKと再交換されずに層間に柱として残り、くさび型空間が形成されることが明らかになった。発表では、層間くさび型空間の形成機構についても議論する。