一般社団法人日本鉱物科学会2021年年会・総会

講演情報

口頭講演

R4:地球表層・環境・生命

2021年9月16日(木) 14:00 〜 17:15 Zoom Session 3

座長:福士 圭介(金沢大学)、横山 正(広島大学)、川野 潤(北海道大学)、佐久間 博(物質材料研究機構)、宇都宮 聡(九州大学)

15:45 〜 16:00

[R4-07] サポナイト‐アンモニウム相互作用:セレス初期海洋のアンモニウム濃度制約

*徳門 弘都1、福士 圭介2、関根 康人3、井上 浩介1 (1. 金沢大学・院理、2. 金沢大学環日本海域研究センター、3. 東京工業大学)

キーワード:セレス、サポナイト、交換選択係数

近年の宇宙探査から初期セレスには地下海洋が存在したこと、また現在セレスにはアンモニウム型サポナイトが存在することが明らかになった。サポナイトは周囲の水中に存在する陽イオンを層間に保持する特性を持つため、そのアンモニウム型サポナイトはセレスに存在した海洋のアンモニウム濃度を記録している可能性が高い。
 グランドタックモデル(Walsh et al. 2011)として知られる太陽系形成論では、惑星形成期に木星や土星などの巨大ガス惑星の軌道が進化する過程で、セレスを含む大規模な物質移動が起きたことを示唆している。アンモニウム型サポナイトからセレス初期海洋のアンモニウム濃度を推定できれば、アンモニアスノーラインから初期セレスの位置について考察できる。そのため、セレス初期海洋の水質理解は惑星科学的に非常に重要であるが、水質復元に必要とされるサポナイトNa+-NH4+選択係数の値は未だに報告されていない。そこで本研究では、そのサポナイトNa+-NH4+選択係数の測定を定量的に行い、得られた結果をNASAのセレス探査におけるIR結果と対応させ、セレス初期海洋中アンモニウム濃度の詳細な復元を試みる。