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[R4-09] 炭酸カルシウム1/2水和物の生成条件
キーワード:炭酸カルシウム1/2水和物、溶解度、前駆体、生成条件
Zou et al. (2019)にて炭酸カルシウム1/2水和物(CCHH, CaCO3・1/2H2O)が世界で初めて合成された。CCHHは地球上に豊富に存在する成分から容易に合成されるため、自然界に存在している可能性が高いが、未だ自然界では発見されていない。そこで、本研究はCa、Mg、CO3を含む初期溶液から様々な濃度条件で炭酸カルシウムの形成を試みることによりCCHHの生成条件を明らかにすることを目的とした。Mg濃度とCO3濃度が共に0.04 mol/kg 以下の条件以外で生成が確認され、CCHHに対して成分濃度が過飽和であれば生成することを示唆している。本研究でCCHHとカルサイトとバテライトの混合物、またMHCへの転移が見られたことから、CCHHはそれらの前駆体である。したがって、溶解度もMHCとACCの中間にあることが推測される。MHCよりも過飽和な条件を有する天然水はアルカリ湖が合致する(Fukushi and Matsumiya 2018)。そのため、CCHHはアルカリ湖に存在する可能性が高い。CCHHもMHCと共にアルカリ湖の水質を制御している重要な炭酸カルシウムであるかもしれない。