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[R5-08] 南極産H6コンドライトの衝撃変成組織
キーワード:衝撃変成史、普通コンドライト、高圧鉱物
過去の天体運動を推定するために、これまで衝撃変成組織観察と衝撃変成年代としてのAr/Ar年代分析を進めてきた。本研究では新たに追加した3つのH6コンドライトの衝撃変成組織の観察結果について報告する。A 12363はシリケイトダークニングや溶融脈の再結晶化など全体的に強い熱イベントを記録していた。A 10174は衝撃溶融脈が切られた組織がみられ、複数回の衝撃イベントを経験していた。Y 981909は唯一高圧鉱物を豊富に含み、強い衝撃変成作用と高圧鉱物を保持する程度の急冷を経験していた。今回観察した3試料はいずれも衝撃変成作用の程度が異なり、それぞれ独立の衝撃イベントを記録していると考えられる。今後これらの隕石のAr/Ar年代分析を進め、各隕石の衝撃変成作用がいつ起きたのか、どのように時代変化してきたのか、を明らかにしていく。