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[R5-12] 難揮発性包有物メルトとCOガスとの酸素同位体交換実験
キーワード:難揮発性包有物メルト、一酸化炭素、酸素同位体交換
難揮発性包有物CAI中の非平衡酸素同位体分布の理解を目的として、CAI球形メルトとC18Oガスとの酸素同位体交換実験を1420°C, PCO = 0.1, 0.5, 1 Paでおこなった。ガラスとスピネルからなる加熱後試料において、ガラス中の酸素同位体組成は加熱時間に伴って表面が18Oに濃集し、内部から表面に向かうにつれ18Oに富む同位体ゾーニングを示した。同位体プロファイルは表面濃度非定常の三次元拡散方程式により説明可能であり、得られた酸素自己拡散係数Dは、H2Oとの同位体交換実験で決定した値と同程度 (~1.41 × 10–11 m2 s–1) であったが、メルト表面での同位体交換効率αは10–3–10–4程度でありH2Oガスとの場合 (~0.28) より2–3桁小さいことがわかった。H2O-COガス間の同位体平衡は、メルト–ガス間の同位体交換が起こる前に達成されるため、本研究の結果はCAIメルト–ガス間の同位体交換速度は、CAIメルト–H2Oとの同位体交換速度で決定されることを示している。