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[R6-03] 北部九州・糸島半島に分布する志賀島塩基性岩類について
キーワード:志賀島塩基性岩、角閃石
福岡県志賀島・糸島半島を中心に分布する志賀島花崗閃緑岩には、志賀島塩基性岩類と呼ばれる粗粒な角閃石が特徴的な苦鉄質岩体が伴うことが知られている。志賀島における苦鉄質岩体の成因については詳細に議論されている一方、糸島半島の岩体については研究例が乏しい。分布域ごとの苦鉄質岩体の特徴を理解することは花崗閃緑岩体との詳細な関係性を明らかにする上で重要であるため、本研究では糸島半島における苦鉄質岩体の記載を行い、成因について考察した。苦鉄質岩試料は共通して主に普通角閃石、斜長石、石英から構成されていた。中粒・粗粒苦鉄質岩は自形の 角閃石が 他形の斜長石・石英・微斜長石によって包有されていた。均一に緑色を示すものとコア付近に褐色・リム側に淡緑色を呈するものが存在した。色調の変化を伴う角閃石結晶は特に1 mmを超えるものに多く見られた。全ての苦鉄質岩試料に関して同一試料内で褐色の部分ほどAl・Tiが多く#Mgが低い傾向を示した。地質温度計を用いると1.8‐2.0 kbar、650‐710 °Cの温度圧力条件を求めることが出来た。