一般社団法人日本鉱物科学会2021年年会・総会

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R6:深成岩・火山岩及び サブダクションファクトリー

2021年9月16日(木) 09:30 〜 18:30 ePoster Session

09:30 〜 18:30

[R6P-02] 阿武隈帯中部,南蔵王地域・栗子地域の白亜紀花崗岩類・変成岩類の岩石学的研究

*丸山 純一1、加々島 慎一2 (1. 山形大・院理、2. 山形大学)

キーワード:阿武隈帯、花崗岩類


本研究は阿武隈帯中部の南蔵王・栗子地域に分布する花崗岩類・変成岩類の岩石記載および全岩化学組成分析を行い,その成因を明らかにすることを目的とする.花崗岩類は花崗岩~トーナル岩に分類され,花崗岩が花崗閃緑岩に貫入する産状が確認される.主成分鉱物は石英,斜長石,カリ長石,黒雲母,角閃石,副成分鉱物はアパタイト,ジルコン,白雲母,不透明鉱物,および二次鉱物として緑泥石,緑簾石からなる.変成岩類は黒雲母片岩,ザクロ石・珪線石を含む泥質片麻岩,角閃岩などからなる.花崗岩類の全岩化学組成の結果,SiO2量は59.4~73.0wt.%を示し,判別図より火山弧花崗岩,アルミナ飽和度は0.9~1.3の範囲にプロットされる.阿武隈帯中部に産する他の花崗岩類も含めて組成変化トレンドを検討したところ,3つのトレンドがみられ,それぞれ蔵王,南陽~日山,白布~猪苗代の3つのエリアに分けられる.これは起源物質の違いか結晶分化過程の違いを反映していると考えられる.