一般社団法人日本鉱物科学会2021年年会・総会

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R7:岩石・鉱物・鉱床 (資源地質 学会 との共催 セッション)

2021年9月17日(金) 09:30 〜 18:30 ePoster Session

09:30 〜 18:30

[R7P-05] 茨城県妙見山リチウムペグマタイトに産する電気石の化学組成

*石澤 ほたか1、越後 拓也1、渡辺 寧1 (1. 秋田大院・国資)

キーワード:電気石、妙見山リチウムペグマタイト、リチア電気石、鉄電気石、EPMA-WDS


茨城県妙見山のリチウムペグマタイトより産出する電気石について,EPMA-WDSを用いて化学組成を分析した.本産地より産出する電気石は色により黒・紺・濃緑・“ウォーターメロン”・ピンクの5種類のタイプに分けることができ,それぞれのタイプによって産状や共生鉱物に違いがある。そこでそれぞれのタイプの電気石について、EPMAを用いて化学組成を測定し、apfuを求めた.なお、EPMAで計測できない軽元素については計算により導出している。その結果,本産地の電気石は鉄電気石~リチア電気石にかけての組成を持つことがわかった.また,分化初期と考えられる黒タイプは鉄が1.51apfu,リチウムが0.30apfuであったのに対し、後期と考えられるピンクタイプでは鉄は検出されず、対してリチウムは0.89apfuまで増加していた。このことにより、結晶分化が進むにつれて鉄が減少し,リチウムなどが増加するという傾向があることがわかった.このようなコンパティブルからインコンパティブル元素への推移は、国内他産地のデータとも整合的であり、またそのような化学組成の違いが、色の違いとして反映されていると考えられる。