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[R8-01] ラマン地質圧力計における問題点の検証
キーワード:ラマン圧力計、石英ラマンスペクトル、ピーク補正、歪、静水圧
近年,ラマン圧力計においてピーク位置の補正方法や変成圧力の制約方法など様々な手法が提案されており,Enami et al. (2007)およびKouketsu et al. (2014)で提案した手法に対する問題点も呈されている。本研究では,このような状況をふまえて,下記2点の問題点について検証をおこなった。(1) ピーク幅を用いた残留圧力値の誤差の評価:石英の標準試料の長期間観測の結果,残留圧力の指標であるピーク幅の変動は最大で0.6cm-1であり,残留圧力に換算すると20MPa程度であった。これは,変成岩の圧力を評価するうえで大きな支障はないと言える。(2) 天然試料中に含まれる石英包有物の残留圧力の異方性と歪の値の検証:石英包有物の残留圧力マッピングを行った結果,顕著な異方性は確認されず,静水圧条件と仮定しても問題ないことが示唆された。一方で,歪計算ソフトを用いると,多くの石英包有物は静水圧条件から外れる結果となった。先行研究では合成実験試料を用いているため,静水圧条件を再現できていない可能性があり,計算手法も含めて慎重に検証する必要がある。