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[R8-03] 四国西部, 唐崎マイロナイトの変形温度条件の制約
キーワード:Karasaki mylonite、Sanbagawa metamorphic rock、EBSD
本研究では,松山市南方双海地域に産出する唐崎マイロナイトと下盤側の三波川変成岩を対象に詳細な構造解析を実施した.鏡下では,bulge nucleation(BLG)を示唆する不規則な粒界を有する再結晶石英が普遍的に観察された.唐崎マイロナイトの石英c軸ファブリックはrhomb-basal slipが卓越し,緑色片岩相での延性変形を示唆している.またほとんどの試料で非対称なtype I cross girdleを保存しており,開口角度は41-57°である.三波川変成岩も同様に51°の開口角度の有するtype I cross girdleを示す.以上の結果より,石英開口角温度計を利用すると唐崎マイロナイトの変形温度が330–440±50℃,三波川変成岩の変形温度が400±50℃で形成したことを示唆している.本研究で見積もった変形温度は,炭質物ラマン温度計で得られたピーク温度の421 ± 41 ℃ともよく一致している.つまり唐崎マイロナイトは上昇前に低温高圧型変成作用の起きるテクトニックセッティングで低温のマイロナイト化を被っていたことが推察される.