15:00 〜 15:15
[R8-11] 単一岩石中に反時計回りと時計回りのP-T履歴が共存?: 東南極 セール・ロンダーネ山地ブラットニーパネの例
キーワード:大陸衝突、グラニュライト、Zr-in-rutile 地質温度計、微量元素
東南極セール・ロンダーネ山地ブラットニーパネのGrt-Sil-Bt片麻岩1試料を用いて温度圧力(P-T)履歴の制約を行った。本試料は、Plに卓越する層とGrtとBtが卓越する層からなる。Pl卓越層に含まれるGrt AはSilを包有し、リムはBt+Pl+Ky+Sil+Qz+Rtに分解している。本組織中のRtへのZr-in-Rt地質温度計の適用により770oC, 0.9 GPaで減温に伴いザクロ石が分解したと推定した。一方GrtとBtが卓越する層に含まれるGrt BはSil、Qz、Rt、Zrn、Bt、Crdを包有し、その形成条件は750-850oC、0.5-0.7 GPaと推定された。Grt Bに包有されるSilとGrtBの間にはCrd+Splの薄層が発達し、Grt BのリムにはCrd+Qzが発達することから、等温減圧過程が示唆される。その後、細粒Kyなどからなる細脈が形成されており、Grt Bは時計回りのP-T履歴を経験している。Grt A周囲の反応組織が反時計回りのP-T履歴の一部ならば、単一試料から時計回りのP-T履歴と反時計回りのP-T履歴が得られたことになる。