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[S3-04] 舞鶴帯における背弧盆性海洋地殻と大陸地殻の混合過程
キーワード:舞鶴帯、夜久野岩類、津和野コンプレックス、背弧盆の収束
西南日本内帯の舞鶴帯は模式地において北帯,中帯,南帯に三分される.北帯は古生代の花崗岩類や片麻岩類からなり,ロシア沿海州のハンカ地塊や北朝鮮北東端の豆満江複合岩体に対比される.南帯はペルム紀の海洋内島弧起源である.その間に挟まれている中帯は,主としてBABB起源海洋地殻コンプレックスとVAGの異地性岩塊を伴うペルム系舞鶴層群からなり,収束した半遠洋性の海盆起源である.中帯の最西端の島根県津和野地域には,新太古代–古原生代の花崗岩類やメタコーツァイトなどからなる大陸クラトン起源の津和野コンプレックスが大小様々な異地性岩体として存在する.中帯における背弧盆海洋性地殻と大陸地殻の混合は,日本海の大和堆のような,大陸縁辺域から拡大を開始した背弧盆中に取り残された大陸地殻が,海洋内にあった夜久野古島弧の衝突と背弧盆の収束によって説明可能である.その後舞鶴帯は幅の広い右横ずれ剪断運動によってメランジュ化した.