S3：東アジアのテクトニクス （スペシャルセッション）

[S3-05] 舞鶴帯津和野コンプレックス花崗岩質岩の年代の多様性

*木村 光佑¹、早坂 康隆²、柴田 知之²、ダス カウシク²、川口 健太³ (1. 呉高専、2. 広島大・院理、3. 全北大学校)

キーワード：舞鶴帯、津和野コンプレックス、ジルコンU-Pb年代

島根県津和野地域舞鶴帯津和野コンプレックスの花崗岩質岩およびメタコーツァイトから新たなジルコンU-Pb年代を測定した．戸谷川岩体(新称)の花崗岩質岩はVAGの特徴を示し，2試料から1842 ± 9 Maと771 ± 5 Maの単一年代が，別の2試料からは波動累帯構造を示すリム部から479 ± 5 Maの年代(Th/U < 0.1)が，コアから約915–845 Maと約815–755 Maのinherited年代が，更に別の1試料からは約490–400 Maの年代がそれぞれ得られた．一方，部栄岩体のものはAタイプ花崗岩でWPGの特徴を示し，1760 ± 11 Maの年代が得られた．また，メタコーツァイトからは約2675 Maに最大のピークを持つ約2705–2140 Maのコンコーダント年代が得られ，約1850 MaにもTh/Uが0.1より低いコンコーダントなデータが1点認められる．戸谷川岩体から得られた915–750 Maの年代や1.8–1.75 GaのAタイプ花崗岩は例えば北中国地塊南縁で知られており，津和野コンプレックスの起原を制約する上で重要な鍵となる．