一般社団法人日本鉱物科学会2024年年会・総会

講演情報

口頭講演

R3:高圧科学・地球深部

2024年9月12日(木) 14:00 〜 15:15 ES025 (東山キャンパス)

座長:境 毅(愛媛大学)、新名 良介(明治大学)、石井 貴之(岡山大学)、川添 貴章(広島大学)

14:00 〜 14:15

[R3-09] 高圧下における下部マントル物質の電気伝導度と価数およびスピン状態との関係

「招待講演」

*増野 いづみ1 (1. 岡山大・惑星研)

キーワード:スピン転移、下部マントル、電気伝導度

主要な下部マントル鉱物には鉄が多く含まれており、ブリッジマナイトやフェロペリクレース中の鉄は圧力をかけることでスピン転移を起こすことが知られている。下部マントル物質中の鉄のスピン転移はその鉱物の密度、電気伝導度、熱伝導度、鉄の分配係数、電気伝導度などに大きな影響を与える。特に電気伝導度には敏感であり、例えばフェロペリクレース中の鉄は下部マントル圧力条件で高スピンから低スピンへとスピン状態が変化し、不対d軌道電子が減少することにより電気伝導度の有意な低下が観察されている(e.g. Lin et al., 2007; Ohta et al., 2007; Yoshino et al., 2011)。本発表ではダイヤモンドアンビルセルを用いた高圧下における電気電導度測定とメスバウアー分光測定を基に、下部マントルに関係する物質の鉄のスピン状態と電気伝導度の関係を議論する。