第65回歯科基礎医学会学術大会

講演情報

シンポジウム

日本歯科理工学会共催シンポジウム

「組織発生と再生、その理解と活用に向けた取組み」

2023年9月17日(日) 09:00 〜 11:00 A会場 (百周年講堂(本館7F))

座長:松本 卓也(岡大 院医歯薬 生体材料)、大島 勇人(新潟大 院医歯 硬組織形態)

10:30 〜 11:00

[DES-04] 新しいバイオマテリアルデザインのための骨多階層模倣

〇松本 卓也1 (1. 岡大 院医歯薬 生体材料)

キーワード:階層、時空間変化、骨形成

自らの材料デザインの思考パターンをつくることは材料デザイナーとして新しいものを創造し続けるうえで重要である。一般的によく言われることであるが、新しいバイオマテリアルをデザインする上で実際の生体組織を模倣することは有効なアプローチの1つである。しかし、近年のレビューペーパー等に見られる魅力的な模式図は実際(リアル)以上のイメージを読者に埋め込み、思い込みを強くさせる負の要素も多い。そのため、近年の組織工学用材料では魅力的な模式図を模倣し間違ったイメージのままの材料開発が増加する傾向にある。実際の生体組織は階層ごとに異なる様相を示すものであり、その階層は時間的にも空間的にも多階層である。つまり、リアルな組織を模倣するためには時間的にも空間的にも多階層で成長する過程(プロセス)を観察、理解する必要であり、単純な模式図で示されるようなものではない。そこで、「バイオプロセスを多階層に模倣する」というコンセプトのもと、我々はバイオプロセスの時間空間的多階層での理解と、この理解を活用した新規バイオマテリアルデザインの提案を進めている。本講演ではこれまでに我々が進めてきた骨バイオプロセスの多階層模倣について紹介させていただく。