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[O2-E-AM1-03] Porphyromonas gingivalis 由来LPSの慢性投与下におけるβ-アドレナリン受容体シグナルの重要性
キーワード:交感神経系、内毒素(LPS)、筋小胞体
【目的】 歯周病は交感神経系を活性化させ、心疾患発症を促進する事が報告されている。しかしながらそのメカニズムの解析は不十分である。本研究では歯周病患者の血液中に検出される濃度と同等のPorphyromonas gingivalis 由来内毒素(PG-LPS)が検出される歯周病マウスモデルを作成し「PG-LPSの慢性・持続的刺激は交感神経系の慢性刺激状態を引き起こして心機能低下(心筋リモデリング)を誘導する」という仮説を立てた。 【方法】C57BL/6/Jマウス (オス12週令)を用いて、1) PBS投与群(Control群)、2) PG-LPS (0.8mg/kg/day:腹腔内投与) 投与群 (LPS群)、3) 非選択的ベータ遮断薬(プロプラノロール)投与群(1g/L:経口投与:PPL群)、4) LPSとPPLの併用投与群 (LPS+ PPL群) を作成した。投与開始から7日後にイソフルレンによる吸入麻酔下で心エコーを用いて心機能測定を行った。実験終了後に心臓を摘出し心筋線維化領域の組織学的評価、ウェスタンブロッティング法にて分子生物学的評価を行った。 【結果】1)Control群に比較しLPS投与群での心機能は有意に低値を示した。 しかしながらPPLを併用した群では心機能の低下が有意に抑制された。 2)心筋線維化領域ならびに線維化マーカーであるα-SMAはLPS群では有意に増加したが、LPS+PPL群での増加は有意に抑制された。 3)心筋細胞内の筋小胞体でのCa2+調節に重要なホスホランバン(PLN: Thr-17)のリン酸化はLPS投与郡で有意に増加したが,その増加はPPL併用群で抑制された。 [結論] PG-LPSの投与による心機能障害はPPLの併用投与により保護された。以上の結果は歯周病が交感神経系の慢性刺激状態を引き起こし、心筋リモデリングを誘発する可能性を示唆している。