10:40 〜 10:50
[O2-E-AM2-04] 鼻腔・口腔内からの薬剤耐性菌の分離と性状解析
キーワード:薬剤耐性菌、MRSA、グラム陰性耐性菌
【目的】
薬剤耐性菌の問題は世界的な公衆衛生上の脅威であり、動向調査と対策が必要である。本研究では、鼻腔・口腔での薬剤耐性菌の現状を把握するために、鼻腔・口腔から薬剤耐性菌を分離し、分離細菌の性状解析、薬剤耐性菌の有無と研究対象者(患者)の医療情報との相関性、および薬剤耐性菌の有無と細菌叢との関連性を検討した。
【方法】
広島大学病院歯科外来を受診した患者511名(40歳以上)の口腔粘膜・舌および鼻腔粘膜から検体を採取した。採取試料を種々の選択培地で培養後、Staphylococcus aureus(Sa)および第三世代セファロスポリン/カルバペネム耐性グラム陰性菌(グラム陰性耐性菌)を分離した。PCR法を用いたmecA遺伝子検出によって、分離Saからメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を、TOF-MSによる菌種の同定とPCR法によってグラム陰性耐性菌からESBL遺伝子保有細菌を同定した。さらに、診療録から患者の年齢や性別、既往歴、抗菌薬使用の有無、口腔状態等の情報を収集するとともに、鼻腔・口腔の細菌叢を解析し、薬剤耐性菌の定着(薬剤耐性菌保有)に関与する要因を検討した。
【結果と考察】
Saは全体として173名(33.9%)から分離され、鼻腔からは131名、口腔からは89名であった。MRSAは46名(9.0%)が保有していた。グラム陰性耐性菌は全体として97名(19.0%)から分離され、鼻腔からは10名、口腔からは92名で、ほとんどが口腔から分離された。ESBL産生菌が検出された患者数は7名であった。薬剤耐性菌保有と各種患者情報、および薬剤耐性菌保有と細菌叢との相関性を解析した結果、一部相関を認めた。(会員外研究協力者:菅井 基行、野村 良太、久恒 順三、日下 知)
薬剤耐性菌の問題は世界的な公衆衛生上の脅威であり、動向調査と対策が必要である。本研究では、鼻腔・口腔での薬剤耐性菌の現状を把握するために、鼻腔・口腔から薬剤耐性菌を分離し、分離細菌の性状解析、薬剤耐性菌の有無と研究対象者(患者)の医療情報との相関性、および薬剤耐性菌の有無と細菌叢との関連性を検討した。
【方法】
広島大学病院歯科外来を受診した患者511名(40歳以上)の口腔粘膜・舌および鼻腔粘膜から検体を採取した。採取試料を種々の選択培地で培養後、Staphylococcus aureus(Sa)および第三世代セファロスポリン/カルバペネム耐性グラム陰性菌(グラム陰性耐性菌)を分離した。PCR法を用いたmecA遺伝子検出によって、分離Saからメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を、TOF-MSによる菌種の同定とPCR法によってグラム陰性耐性菌からESBL遺伝子保有細菌を同定した。さらに、診療録から患者の年齢や性別、既往歴、抗菌薬使用の有無、口腔状態等の情報を収集するとともに、鼻腔・口腔の細菌叢を解析し、薬剤耐性菌の定着(薬剤耐性菌保有)に関与する要因を検討した。
【結果と考察】
Saは全体として173名(33.9%)から分離され、鼻腔からは131名、口腔からは89名であった。MRSAは46名(9.0%)が保有していた。グラム陰性耐性菌は全体として97名(19.0%)から分離され、鼻腔からは10名、口腔からは92名で、ほとんどが口腔から分離された。ESBL産生菌が検出された患者数は7名であった。薬剤耐性菌保有と各種患者情報、および薬剤耐性菌保有と細菌叢との相関性を解析した結果、一部相関を認めた。(会員外研究協力者:菅井 基行、野村 良太、久恒 順三、日下 知)